「マタニティマーク」が誕生してから、およそ20年が過ぎようとしています。
現在全国的に使われているこのマーク、実は埼玉県で生まれたものってご存知でしたか?
世界で初めての「マタニティマーク」は、フリーライターの村松純子さん個人による「BABY in ME」マークだといわれています。
当時はようやく電車内の「シルバーシート」が「優先席」に変わり、妊産婦や子どもを連れている人への配慮やサポートが必要だと知られはじめた頃でした。
個人での発信は次第に一般のママさんから病院、自治体などに広まり、地域や団体ごとに異なるデザインの「マタニティマーク」が作られるようになりました。
しかし一方で、デザインの違いから全国での認知度があまり上がらないという問題も浮かび上がってきました。
そこで2006年、厚生労働省が統一デザインの公募を行い、最優秀作品として選ばれたのが埼玉県生まれの現在の「マタニティマーク」なのです。
妊娠中の女性は身体的にも精神的にも大きな変化があり、周囲の方のサポートは欠かせないものです。
妊娠中の変化として一般的に知られている「つわり」は、その一部にしかすぎません。
人にもよりますが、女性は妊娠すると貧血や立ちくらみを起こしやすくなったり、熱っぽくなったり、眠気や体のだるさが増したりします。
また、ホルモンの影響で体の関節や靭帯がゆるむので、まだお腹が目立たない時期でも腰痛や足のつけ根などの関節痛に悩まされているという妊婦さんもたくさんいます。
まして妊娠初期は流産する確率も高く、流産全体の約9割が妊娠12週未満(妊娠4か月未満)に起こるともいわれています。
「マタニティマーク」はお腹がまだ目立たない、一番不安定な時期の妊婦さんをサポートするためのものです。
周囲にあふれている偏見に左右されずに、正しい理解のもとでお互いに出来る範囲での配慮をしていくことが人にやさしい社会への第一歩になるのではないでしょうか。
埼玉県からのマタニティマークに関するお知らせはこちらです。