2019年4月、川口市で埼玉県内初の公立夜間中学が開校しました。
市立芝西中学校の分校として開校、平日17時頃~21時頃まで授業等が実施され、中学校の全教科を履修するそうです。
夜間中学とは、中学校に設置されている夜間学級のことです。
戦後の混乱期、さまざまな理由で中学校教育を受けられなかった人を対象とした中学校の特別課程で、県内では30年以上にわたって設置が求められてきました。
なお、現在、夜間中学は全国8都府県に31校あり、約1700人が学んでいます。
夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を超過した方だけでなく、日本国籍を有しない外国籍の方、不登校等により十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方や卒業はしたけれど学び直したいという方等、対象者には広く教育の機会を提供します。
現在は60名以上の生徒が在籍し、半数が外国籍の方だそうです。
年齢は10代から80代までと幅広く、川口市だけでなく県内の周辺市町村からも生徒が集まっているようです。
これまで東京まで越境通学していた県民は延べ1000人に及びます。
さらに、一度も学校に通っていない、または小学校を卒業していない未就学者と呼ばれる県民も5000人近くいます。
そういった方々の学びを保障する場としても、設置数の増加が今後の新たな課題となっていくでしょう。
県議会の報告によると、公立夜間中学校が開設されることに伴い、条例の新設案も議会で検討されているようです。
これからもっと夜間中学が一般的になっていくことが期待されます。