埼玉県の特別支援学校の児童生徒数は10年間で1.6倍以上に増加しているにもかかわらず、学校建設が全く追いついていないのが現状です。
特別支援学校の過密化が深刻な問題となっている中、保護者や教職員らでつくる「埼玉県の特別支援学校の『教室不足』を考える会」は新しい学校建設を求める要請を行い、党県議、さいたま市議と懇談を行いました。
参加者からは、
・体育館は各クラスで週一回しか使えないので、音楽室や会議室でも体育をせざるをえない。
・給食調理が限界で一緒に同じものを食べられず、給食指導ができなくなっている。
・バス通学で1時間半もかけて通う肢体不自由の子どももいる。
など、県内の特別支援学校で起きている深刻な教室不足の実態が報告されました。
1人1人のペースに合わせてそれぞれにあった教育が受けられ、支援が手厚いはずの特別支援学校で教育の質が下がってしまうことは、大切な子どもを預ける親にとってとても不安なことですよね。
また、この教室不足の原因の一つとして、学校設置基準が特別支援学校にだけないこともあげられています。
通常の学校には校舎の広さや必要な施設を定めた国の設置基準があるのですが、現在特別支援学校にはこのような設置基準が設けられていないのです。
国としては「障害の度合いに応じて必要な施設も違うので、それぞれの実情に合った柔軟な対応が出来るようにするため」とのことですが、基準がないことにより、子どもが増えても適切な対応が取られていないのではないかと言われています。
これからも特別支援学校を必要とする児童は増え続けていくと思われます。
学校新設には大きなお金が必要となりますが、未来を担う子どもたちが適切な指導を受けられる環境作りのため、少しでも早く特別支援学校の教室不足を解消できるように県はもちろん国レベルでも対策を進めてもらいたいですね。
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