通級指導教室の拡充を

学校生活に問題はありませんか?

子どものころ、学校は得意でしたか?教科の得意不得意は誰にでもありますが、中には他人とのコミュニケーションが極端に苦手で、抜け漏れなく社会生活を送ったりすることに困難を感じる人もいます。
読み書きや数の概念が理解できないLD(学習障害)・落ち着きがなく行動が取っ散らかってしまうADHD(注意欠如多動性障害)・限定された興味やこだわりをもち、対人関係や言語の発達が遅れる高機能自閉症等といった症状を発達障害と言います。発達障害は脳機能障害の一種で、一見障害を持っているようには見えません。先天的な特性であるため、根本的な治療はまだありませんが、適切な支援で症状を緩和させることはできるようになっています。

配慮が必要な子どもが増えている

発達障害を持った子どもは年々増加しており、平成24年に文部科学省が行った調査では、通常学級に在籍する6.5%の子どもは発達障害の可能性があるという結果がでています。
比較的障害の程度が軽い場合には、通常の学級に在籍しながら、その子の特性に合わせて個別のフォローが受けられる「通級学級」という制度を利用することができます。
知的障害を伴わない発達障害の子どもにとって、通常のカリキュラムで通常学級の子どもとコミュニケーションをとれるほうが、特別支援学級や特別支援学校に籍を置き、障害に応じたカリキュラムのみを受けるよりも、自立が促される場合があります。
平成16年から平成26年までに通級学級の生徒数は2.3倍になり、平成26年には全国で8万4千人が利用しています。

埼玉県の通級学級は?

埼玉県には現在、言語・難聴児のための通級指導教室が100教室・発達・情緒障害児のための通級指導教室は142教室あります。しかし入間市には11教室ある通級指導教室が、富士見市では3教室しかないなど、開設された教室数には地域差が多いのが現状です。また、小学校には216教室あるのに対し、中学校では24教室に減ってしまいます。在籍校に通級指導教室がない場合には、外の教室に通わなければなりませんが、支援が必要な生徒に対し遠方の教室へ通うことは大きなストレスとなってしまいます。また、平成29年現在、高校では通級指導教室の制度は整っていません。
発達障害は、一生付き合っていかねばならないその人の特性です。発達障害を持つ人の自立や社会参加を促せるよう、中学高校以降も寄り添える制度を県として模索することが求められます。

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