福祉切り捨て、大規模開発、企業誘致優先予算ー当初予算反対討論
3月13日2月定例会最終日に行なった村岡県議の当初予算に対する反対討論を紹介します。
日本共産党を代表して、第1号議案及び修正案、第15号議案、第17号議案ないし第19号議案について、反対討論を行ないます。
メガソーラー予算を予備費にという(自民党の)修正部分だけでは、不十分
はじめに、第1号議案「平成27年度埼玉県一般会計予算」ならびに「修正案」に対する討論を行ないます。まず修正案ですが、治水対策の基本は堤防の強化です。国土交通省を説得してまでの構造物の設置は論外です。
事業予定地は、県内でも脆弱と言われ強化事業が行なわれている河川堤防です。このような場所に総事業規模約13億円もの費用を投入してメガソーラーを設置する事業は認められません。加えて、地元に対する説明も行なっていないことは重大です。
修正内容は賛成できるものですが、この部分の修正を行なっても、第1号議案に対する反対の態度に変更はありません。以下その理由を申し述べます。
医療費負担の軽減に背を向けて
第1に、アベノミクスによる消費税の8%への増税、円安による物価の上昇、社会保障費の削減によって県民の中には「暮らしが、たいへん」という悲鳴があふれています。このようなおりに、福祉医療費助成制度について拡充どころか、重大な後退を継続しました。乳幼児医療費助成制度は、市町村から対象年齢拡大を一貫して要望されているにもかかわらず、頑なにこれを拒絶しながら、三芳町や戸田市など財政力指数の高い自治体への補助率削減を続けています。住んでいる自治体の財政力によって、子どもたちへの助成額が差別されることは許されません。
また、今年1月より、重度心身障害者医療費助成制度について、65才以上で適用条件にいたった方を対象から除く措置が始まりました。腎臓病患者など生涯にわたって医療を必要とする方々から、撤回してほしいという切実な要望がありましたが、県は冷たく退けました。新年度約1万3千人がこの制度から閉め出されます。障害者の年齢差別は断固として撤回すべきです。
次々再開されるダムなどの事業から撤退を
第2に、その一方で、不要不急な大規模公共事業が継続、また再開され巨額な県民の税金が投入されていることです。水余りの時代に水資源開発事業として、八ッ場ダムをはじめとしたダムや地下導水管工事のために、建設事業費で24億9千百万円、水源地域整備事業等も加えると35億67百万円もの予算が計上されています。この中には、昨年8月再開が決定された霞ヶ浦導水事業の4千万円がいち早く計上され、未だ継続するか決定もされていない思川開発事業の予算2千万円までも計上されております。次から次へと再開されるダム事業に国言いなりに参加する必要はありません。3事業からは撤退すべきです。
イオン系企業のみの利益認められない
第3に、埼玉スマートアグリ推進事業は、高度先端技術を活用した次世代園芸施設のモデル拠点をつくるために、埼玉県農林総合センター内4ヘクタールもの事業用地を、県が当初予算10億9千万円を計上して整備し、イオン系の大手企業に固定資産税相当額で貸し出すものです。県民の財産である県有地を格安で提供し、特定の企業のみを支援する事業は認められません。
農作物の生産性向上のための新たな技術開発・普及は必要なことですが、ハウス一棟あたり約1億4千万円などという高度先端技術は、従来の中小規模のトマト農家にとって簡単に導入できるような生産技術ではありません。
また、年間1200トンもの大量生産・出荷を予定しており、「出荷価格が下落するのではないか」との県内トマト農家の不安の声は当然です。耕作面積の大幅減少や後継者の不足で危機に瀕する埼玉農業を建て直すためには、家族経営を尊重しすべての農家を育成すべきであり、特定の企業に偏った農業政策はやめるべきです。
第4に、地元の反対を押し切って、県立小児医療センターの移転事業が進められているからです。
次に、第15号議案「平成27年度埼玉県病院事業会計予算」については、県立小児医療センターの移転予算について、第17号議案「平成27年度埼玉県水道用水供給事業会計予算」については、八ッ場ダムなどの予算から反対します。
花園インターチェンジ周辺の大規模開発認めない
第18号議案「平成27年度埼玉県地域整備事業会計予算」は、県北・秩父地域振興施設整備事業の調査費2千500万円について反対です。
本事業は、深谷市が花園インターチェンジの付近にアウトレットモールを核とした観光拠点を整備し、そのうち県企業局が1500uを購入し、4億3千万円かけて整備するものです。地元でも地域経済への悪影響が懸念されております。加えて、近くには道の駅も整備されており、県が改めて施設整備を行う理由はありません。
最後に第19号議案「平成27年度埼玉県流域下水道事業会計予算」ですが、流域下水道にかかわる関係市町の負担額を引き上げる予算であることから、賛成できません。
以上、反対討論といたします。
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