市民共同出資型ソーラーシェアリング発電所視察
2月18日、千葉県匝瑳市にあるソーラーシェアリングの市民共同発電所を村岡県議が視察しました。現地では、市民エネルギーちば合同会社の東光弘代表社員と同社社員で地元農家の椿茂雄さんが応対してくれました。
ソーラーシェアリングとは・・・
元大手農機具メーカーの設計開発者の長島彬氏(CHO技術研究所)が発案。
農地の上に、藤棚のように高い架台(2.5〜3.5mほど)を組み立て、隙間をあけて幅の狭いソーラーパネルを並べて太陽光発電を行う環境保全型発電システムです。
農地での耕作が義務付けられますが(3年ごとに農業委員会の審査)、安定した売電収益を得ながら農業が続けられ、地域再生の切り札として注目が高まっています。
東さんがソーラーシェアリングの仕組みや市民発電所の開設までの経緯やなどを説明しました。
同社のソーラーシェアリングは、一反あたりだいたい1200万円(ソーラーパネルなど材料費のみ)くらいの予算で導入できます。売電収益は、一反あたり年間200万円ほどで、そのうち100万円を借入金などの返済にあて、残りの100万円が収入となります。3反の農地に導入すれば、年300万円ほどの収入となり、安定した収入を得ながら農業を続けることができるといいます。
匝瑳市民発電所は、0.6反の農地に70Wのソーラーパネルが500枚が使われ、予算は820万円ほど。組み立て作業はすべて社員が行ったそうです。
資金は、パネルオーナー制で調達。市民にパネル1枚25000円で購入してもらい、各オーナーから会社がパネルを借り受け、毎年賃料を支払う仕組みです。500枚すべてが売り切れました。
ソーラーシェアリングでは農地に影ができますが、ほとんどの植物は曇り程度の光で十分育つことができます。実際に、市民発電所の農地(0.6反)でつくった大豆の収穫量は73Kgと十分な量で、地元農家もその生育の良さに注目するほど品質も申し分ないそうです。しかし、大豆の買い取り価格は一キロあたり280円ほどで、農業収入のみでは20000円あまりにしかなりません。一方、売電収益は農業収入の数十倍にななるとのことです。
ソーラーシェアリングは簡易な構造で、農家自身が設置作業やメンテナンスもできるといいます。また、地域の公務店に発注すれば、地域経済にも波及効果がうまれます。
後継者問題など課題をもつ農家にとっても、意欲ある新規就農者にとっても、さらに耕作放棄地の増加など課題を抱える地域にとっても、とても魅力的で希望のもてる事業だと感じました。
対応いただいたみなさん、ありがとうございました。
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