日本共産党の柳下礼子です。
日本共産党を代表して知事提出議案、第133号議案、第135号議案、第137号議案、第147号議案ないし至第155号議案に対する反対討論を行います。
まず
、第133号議案「埼玉県地域医療介護総合確保基金条例」及び第155号議案「埼玉県一般会計補正予算」については、関連しているので一括して反対討論をおこないます。
今回計上されている基金設置についての議案と補正予算案は、安倍政権のもとで成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の具体化であります。
この医療・介護総合確保法は、2025年度までに、高齢化のために増加するとみられる医療・介護給付費を抑制するために、高度急性期の病床を削減し、患者を在宅へ誘導するものです。自公両党によって、全野党の反対を押し切って可決されました。
本条例の基金の内容として示されている地域医療構想は、入院病床の医療機能ごとの必要量が、ガイドラインや計算式を示すことによって、厚生労働省の主導で決定されます。これに基づき県は、民間病院に対してペナルティまで科して,病床削減を迫ることになります。
地域医療は、医師不足や看護師不足が進み、医療崩壊といわれるほど深刻な危機にあります。今でも早期退院が迫られ、患者はリハビリもないまま在宅にもどされています。特養ホームも待機者が多くて入れず、ショートステイの長期利用など、高齢者の漂流している実態が増えています。「病院難民」「介護難民」をこれ以上増やすことは許されません。
したがって、病床を削減し患者追い出しにつながる基金設置には反対します。
続いて、
第135号議案 埼玉県手数料条例及び埼玉県証紙条例の一部を改正する条例です。
本条例改正は、国が「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」を改正し、建替えるマンションの容積率をアップできる制度を創設したことに伴い、容積率の特例許可申請手数料を新たに徴収するための条例整備です。
同法はマンションの耐震化を促進するかの印象を受けますが、実体は耐震性不足の老朽化マンションの建替えではなく、マンションの敷地を区分所有者の5分の4の決議で売却することを可能とする「敷地売却制度」です。危険なマンションに対する勧告制度をなくして行政の関与を弱め、さらに居住者の居住の安定よりも、デペロッパーなど買受人の利益を優先し、反対した5分の1の区分所有者や賃借人の意向を無視して、強制的な売却を可能とするものです。
マンション居住者の多くは、「永住」を望んでおり、安心して住み続けられるためにも耐震改修など、現実的な対策こそが求められています。
以上の主旨から、わが党は「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の改正自体に反対であり、よって、本条例改正には賛成できません。
次に
第137号議案「埼玉県立図書館設置条例及び埼玉県立図書館協議会条例の一部を改正する条例」は、埼玉県立浦和図書館を廃止にするものです。県教委は、耐震性の確保されていない久喜図書館と浦和図書館を廃館にして、熊谷図書館のみでの運営を計画していましたが、昨年の12月の本議会で、地元久喜市はじめ周辺自治体からの要望により、久喜図書館は耐震補強を行い当面存続すると決定されました。
本定例会には、廃館の中止を求める請願が提出されております。「交通の便がよく、長年多くの県民に愛され、吉永小百合主演映画の撮影にも使われた由緒ある図書館」を廃館しないでという、さいたま市を中心にした県民の声も重いものがあります。
県教委は、浦和図書館について、地元さいたま市において市立図書館の整備が進行しているとしていますが、県庁所在地である120万都市に24館の市立図書館は、他市と比べて、決して多すぎるとはいえません。
したがって、久喜図書館同様、浦和図書館を愛する多くの県民の声を尊重し、耐震補強をして存続すべきと考え、同議案に反対するものです。
次に
第148号議案ないし第154号議案については一体的な議案ですので、一括して反対討論を行います。
第148号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」はじめ第149号議案乃至第154号議案は、県職員と教職員の給与について、本年度については官民格差を解消するとして引き上げますが、来年度から実施される「給与制度の総合的見直し」によって、給与表を平均で2.5%引き下げるというものです。若年層で給与や手当が引き上がる職員もいますが、行政職の50代を中心に年間14万円もの大幅賃下げが行なわれます。50歳の行政職職員が主幹で退職した場合、生涯賃金が42万円の減額となります。このようなベテラン職員いじめの給与制度の見直しは認められないと考え、関連議案全てに反対します。
最後に、
第147号議案「特別職の職員の給与及び旅費に関する条例及び埼玉県教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例」です。
本条例改定は、知事等の特別職及び教育長の期末手当の額を、平成26年度から引き上げるものです。述べてきたように、職員の給与については、今年度は引き上げられるとはいえ、来年度からは大幅な賃下げが一体的に準備されています。一方知事の給与の方は、今年度の引き上げのみの提案です。厳しい経済的財政的状況からも、職員給与の大改悪からも、知事等の期末手当引き上げは認められません。
以上です。
▲ページトップへ戻る