あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

県政トピックス

村岡県議一般質問全文
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12月8日に行なわれた村岡正嗣県議の一般質問の全文を掲載します。
答弁は後日掲載します。












日本共産党の村岡正嗣です。通告に従い順次質問させていただきます。


1、「医療費助成制度の拡充で、県民の命を守れ」
今年4月、消費税の8%増税が強行されましたが、危惧した通り、この増税は日本経済と国民の生活を深刻な危機に突き落としました。GDPは2期連続マイナス、厚生労働省の2日発表の勤労統計調査では、実質賃金指数は16ヶ月連続マイナス、アベノミクスによる物価上昇に賃金が追いついていません。県政世論調査では、「生活が苦しくなった」という県民が5ポイントも増加しています。県民のくらしが大変な時、地方公共団体の使命、「住民の福祉の増進を図ること」を指摘するまでもなく、県民の生活支援は県の責務であります。そこで最初に、県民の命に直結する医療に関わり伺います。
まず、1、「医療費助成制度の拡充で、県民の命を守れ」についてです。
乳幼児医療費助成制度ですが、本県においては、2008年に通院の助成対象年齢が就学前に拡充されて以降、全く拡充がありません。しかし県内では、来年度、全市町村が中学校卒業まで医療費をおおむね無料とする見込みです。子育て支援に市町村はそれぞれに懸命に頑張っているのです。私はこうした市町村を県として支援すべきと考えます。お隣の群馬県は2009年に、所得制限なしで入院・通院とも、中学校卒業まで無料に踏み出しました。拡充するまでは「無料化を広げるとコンビニ受診が広がる」と、反対の声もあったそうですが、時間外診療の受診件数を見ると、中学校まで無料化した直後に7.3%減少したそうです。今こそ、本県も年齢拡大に踏み切るべきです。知事の答弁を求めます。
重度心身障害者医療費助成制度について、この1月から年齢制限が導入され、65才以上で障害者となった方は対象から除外されます。後期高齢者医療制度に加入しても1割の負担となります。障害と医療は切り離すことはできず、多くの方は医療があって生きていけるのです。腎臓病の方は、基本的に週3回4時間人工透析を受けなければ生きていけません。腎臓病患者のみなさんからは「40数年前は透析に自己負担があって、透析を受けられず苦しい苦しいと言いながら亡くなっていった。このようなことを2度と繰り返してはならない」と、深刻な訴えです。お金で命が左右されるなどあってはなりません。年齢制限は撤回すべきです。保健医療部長の答弁を求めます。
さらに、後期高齢者医療費についてです。「年金が毎年減らされ、暮らしは大変になるばかり、早く死にたい」さらに、「医療費が高過ぎる」などの声です。本県ではこの5年間で、後期高齢者医療制度の保険料が、平均で年間7万1千円から7万5千円に引き上げられ、全国7位の高さです。一方で25年度、保険給付支払基金に30億円と財政安定化基金には14億円の積立てを行い、両基金ともに残高80億円を超えています。埼玉県は後期高齢者医療広域連合に昨年度434億円を支出し、事務局長と次長も派遣している立場にあります。高齢者の苦しい暮らしに心を寄せるならば、基金を活用した保険料の引き下げを指導助言すべきと考えます。保健医療部長の答弁を求めます。


2、「ムダな公共事業を中止し、県民の福祉優先の県政へ」
次に、2、「ムダな公共事業を中止し、県民の福祉優先の県政へ」についてです。
先の決算特別委員会での私の質問への答弁で、4年後には県債残高は4兆円を超えることが明らかとなりました。臨時財政対策債が含まれるとはいえ、まさに孫子の代まで借金づけと言えます。これに対して党県議団は繰り返し八ッ場ダムなど、大規模公共事業からの撤退を提案してきました。本県の負担はすでに約820億円に達し、今後の県負担は約132億円とのことです。このほか、基金事業65億円余りのほか、維持管理費など、負担は計り知れません。
再三指摘をしていますが、遠僻地のダムの治水能力は非常に限定的で、基準点の水位を十数センチ下げるだけに過ぎません。また、水道事業での年間給水実績は2003年から10年間で、2600万㎥も減少し、治水・利水ともに、これ以上のダムは不必要です。ところが国は、八ッ場ダム建設を押し進めるとともに、8月には中止していた霞ヶ浦導水事業の「継続」を決定しました。
霞ヶ浦導水事業は、茨城県霞ヶ浦、那珂川及び利根川を地下トンネルでつなぐ、総事業費1900億円の事業です。また、国土交通省が検証中の思川開発事業は、栃木県鹿沼市に南摩ダムを建設し、地下トンネルでダムと黒川、大芦川を結ぶ約1850億円の事業です。ともに再開した場合、今後の県負担は164億円に達します。
知事、こうした開発から撤退すれば、福祉・医療のために将来予算を振り向けることが可能ではありませんか。乳幼児医療費助成制度の年齢拡大も、重度心身障害者医療費助成制度での年齢制限も中止も可能です。八ッ場ダム建設、霞ヶ浦導水、思川開発事業は中止すべきと、国に求めるべきです。知事の答弁を求めます。
国の事業でありながら、県にも負担を求める直轄事業が多数あります。その負担金は、県土整備部と農林部関係だけでも25年度、251億円にのぼります。250億円あれば特別支援学校が8校新設できます。知事はかねてより、国に対して直轄事業負担金の廃止を要望されておられますが、財政の厳しさを言うなら、今こそ直轄事業負担金廃止の大キャンペーンを起こす時ではないでしょうか? 答弁を求めます。

3,「本腰を入れた中小企業振興で地域経済の活性化を」
続いて、3,「本腰を入れた中小企業振興で地域経済の活性化を」についてです。
今年も残すところ僅かとなりました。今、地域を歩きますと、住宅街で、商店街で、町工場で、どこでお話を伺っても、消費税の8%増税は大きい、物価は上がり、年金は減らされ、給料は上がらず、暮しが大変、と深刻な声ばかりです。
11月21日付日本経済新聞には、「鋳物、6割価格転嫁できず」の見出しで、川口鋳物工業組合の会員企業アンケートの結果が報じられました。9月以降にコークスなど原材料が値上がりしたと回答した企業は41%で、その57%の企業が「製品への価格転嫁ができない」との回答です。私も製造業の方々から、「昨年の電気料金の値上げは本当に重い、再値上げなどとんでもない」「それ以上に原材料の値上げは痛い」と言った悲痛な声を聞いております。「アベノミクスの恩恵は全くない」「円安で潤ったのは輸出大企業、株高で儲けたのは富裕層だけだ」地域には怒りの声が広がっています。
同時に、危機感をもった中小事業者からは、「地域経済を支える中小企業を元気にしてこそ暮しも良くなる」「県には足元の中小企業にこそ光を当てて欲しい」との切実な訴えです。
そこで4点伺います。
第1に、知事はアベノミクスに期待をされているようですが、私はアベノミクスは、地域の中小企業には何ら恩恵をもたらしていないと考えております。知事の見解をお伺いします。
また、中小企業の経営を圧迫する外形標準課税の拡大が、政府・与党内で検討されています。拡大しないよう、国に働きかけていただきたい。合わせてお答え下さい。
第2に、小規模企業振興基本法にかかわってです。本年6月20日第186国会で小規模企業振興基本法が成立し、国とすべての地方自治体に小規模企業への支援が責務として明確化されました。事業者の皆さんからは、国が従業員5人以下の小企業者にも光を当てるものと歓迎の声です。さらに10月3日には「小規模企業振興基本計画」が閣議決定されました。すでに本県には「埼玉県中小企業振興基本条例」が制定されていますが、この基本計画を受けて、これまで以上に広範な関係者の意見・要望に耳を傾け、本県としての施策を練り上げ、実施していただきたい、産業労働部長より答弁下さい。  
第3に、民需が低迷している時だからこそ、地方自治体の発注する官公需を地域の中小業者の仕事おこしに活用することについてです。官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律は、国と地方自治体に対し、中小企業の受注の機会の増大をはかるように努めなければならないとするものです。官公需には物件、工事、役務がありますが、本県の平成25年度の官公需契約実績を見ますと、契約総実績に占める中小企業向契約実績の金額比率は、物件60.2%、工事86.3%、役務60.1%、全体では75.9%です。
そこで伺いますが、官公需発注での中小企業向契約の拡大を図って頂きたい。産業労働部長の答弁を求めます。
また、特に物品調達現場や清掃や警備などの役務契約での低価格入札については、かねてより官公需でワーキング・プアを生み出しているとの指摘です。受注確保のためにダンピングが横行し、赤字受注となっては官公需法の趣旨にも反します。ダンピングの防止策を強く求めるものです。これは総務部長よりお答え下さい。
第4に、建設産業に関わり伺います。構造改革による長期にわたる公共事業削減・コスト縮減策によって、特に地域の建設業者は疲弊し、技能労働者は減少、現場の高齢化が進みました。そこに公共工事を発注しても応じる業者がいない、いたとしても資材は高騰し、落込んだ人件費が戻り始めるなどによって、実勢価格が予定価格を超えてしまい、不調・不落の激増を招いています。
国は設計労務単価の引上げやスライド条項など、応急対策をとりましたがその効果は出ていません。職人さんからは「設計労務単価を引上げたと言っても、自分たちは1円も上がっていない」の声であり、業者からは、「設計労務単価の値上がり分を、入札価格の引き下げ分で吐き出してしまっている」と指摘されています。
先の決算特別委員会で明らかとなった事例として、型枠工の単価については、24年度実績で17500円が25年度は20800円と、3300円引き上げられました。しかし、あくまで積算上の単価であって、大手ゼネコンですら平均で1万6千円前後です。末端で働く現場の職人さんはそれ以下が現実で、建設業に若い人が入職しない一番の理由は、この賃金の低さにあります。
本県におけるインフラの整備・維持管理をはじめ、災害時での緊急対応などに、建設業の役割は大きく、その活性化が強く求められますが、その前提条件の一つとして、労務単価の実質の引上げがなされねばなりません。
県として、技能労働者の賃金の実態を把握すると同時に、その実態の上に立って、賃金引上げへ、実効ある施策を生み出すべきと考えますが、今後、どう取組むのか、県土整備部長の答弁を求めます。                                
4、「非正規雇用の拡大を許さず、安定した雇用の実現を」
次に、4、「非正規雇用の拡大を許さず、安定した雇用の実現を」についてです。
党県議団には「深夜の帰宅はほぼ終電。平日、家にいるのは睡眠の4時間くらい」「一人で店をみろと言われトイレにもいけない」など、若者の深刻な実態が多数寄せられています。
先日は埼玉弁護士会が記者会見して、連続40日以上に及ぶ出勤を強いられるなどして夫を過労死で亡くした遺族とともに、ブラック企業の実態が報告されました。その中で、ブラック企業の増加の背景に、非正規雇用の増加があると指摘しています
この間の労働法制の相次ぐ規制緩和によって、正社員から契約・派遣社員への置き換えが進み、若い世代を中心に「使い捨て」雇用が急速に広がりました。安倍政権の2年間でも、正規労働者は22万人減少し、非正規労働者は123万人拡大しました。不安定雇用の広がりが正規労働者の長時間過密労働に拍車をかけ、過労死・過労自殺が後を絶ちません。若者を使いつぶすブラック企業も急増しています。しかし、安倍政権は先の臨時国会で、労働者を入れ替えれば、永久に派遣労働者を使い続けられる「労働者派遣法」改悪案を提出しました。労働者、国民の反対の広がりにより廃案となりましたが、引き続き法改悪が狙われています。
正規雇用で安定した雇用を実現してこそ、若者も希望をもって働くことができます。そこで、「生涯ハケン」を押し付ける「労働者派遣法」の改悪は、断念するよう国に意見を述べるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
さて、埼玉県内の教育現場においても非正規雇用の広がりは大きな問題です。一年未満の有期雇用で働く臨時的任用教員の割合は年々増加し、小学校では、教員の10人に1人、中学校で8人に1人の割合と、全国で4番目の高さです。特別支援学校にいたっては、3人に1人が非正規の教員という学校もあります。しかも担任を持つなど、正規教員と同じ仕事をしていても、臨任教員は次年度の雇用継続がまったく保障されていません。臨任教員は雇用の調整弁とされているのではありませんか。
そもそも臨任教員は、産休・育休代替を除き、最小限とすべきです。教育長に伺いますが、正規教員の採用者数を大幅に増やし、臨任教員を計画的に減らすこと、その際には、長期にわたり臨任教員を続けてきた方の経験を正当に評価し、正規教員に採用すること、以上について答弁を求めます。
続いて限界を超えている教員の多忙化、長時間労働についてです。私の地元、川口市の教職員組合の行ったアンケート調査でも、月の時間外勤務が過労死危険ライン80時間を超える人が8割にものぼり、3人に1人が休日出勤を余儀なくされています。
教育長はこのような教員の働き方を把握しているのでしょうか。例えば、タイムカードを導入するなど、教員の労働実態を客観的に把握すべきと考えますが、答弁を求めます。
また、大半の教員が法定の休憩時間がとれず、保護者対応の困難さなどストレスも重なり、心身の健康を損なう人も少なくありません。学校現場が「ブラック企業化している」とも言われる中、より良い教育環境をつくる上で、教員の負担軽減はまったなしの課題です。
私は、本来少人数学級を推進すべきと考えます。せめて当面は都市部の大規模過密校を中心に教職員の加配など、具体的な負担軽減策を実施すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。


5,「子育て世代の就労と子どもたちの豊かな放課後を保障する放課後児童クラブの充実を」
続いて、5,「子育て世代の就労と子どもたちの豊かな放課後を保障する放課後児童クラブの充実を」についてです。
小学生人口は年々減少の一途ですが、放課後児童クラブ=学童クラブ入所児童数は、2009年から5年間で3807人増加しています。学童クラブで子どもが過ごす時間は、年間1681時間に及び、小学校より460時間も長いのです。あの東日本大震災の時には、帰宅困難になった保護者に替わって、深夜もしくは翌日まで、児童を保護したクラブも多数ありました。若い保護者たちの就労を支える上で、保育所とともに学童クラブの役割は、今後、さらに大きいものとなっていくはずです。
埼玉県は県民の声をうけて、2004年に全国に先駆け、「放課後児童クラブ運営基準」を策定し、それ以降毎年、運営基準に基づいて点検調査・結果公表を行なっています。これが学童設置率日本1という埼玉学童クラブの到達につながっているのです。
そこではじめに、全国でも輝く埼玉学童クラブに対する、県の果たしてきた役割について、知事の見解をお伺いします。
さて現在、子ども子育て支援新制度の、本格実施に向けての準備が進められていますが、国は学童クラブなどの設備や運営の基準を省令として定め、多くの市町村はこの基準に基づいて条例策定を進めています。ところが、先駆的な本県の運営基準では、定員20人以上のクラブについて、指導員・支援員を「常勤複数配置」また「3人以上」が望ましい、としてきたのに対して、国の省令は「複数配置」に留まっています。学童クラブの要は指導員と言われ、その責任は重く、専門性が求められるだけに、保護者においても、クラブ指導員の常勤配置と3人以上の配置は、譲ることのできない願いです。福祉部長に伺いますが、「常勤複数配置」「3人以上配置」「児童40人を1支援単位とする」などを、望ましいとする埼玉県運営基準は堅持すべきです。また、それに伴う財政措置も堅持していただきたいが、どうか、答弁を求めます。
また、この間策定されている市町村の条例には、児童一人あたり1.65uという施設基準が、明記されています。しかし、都市部のクラブの施設は、プレハブや民間家屋で、古い・汚い・狭い状況です。一人あたり1.65uという基準を満たしている施設は、川口市で6割、所沢市で5割に過ぎません。人口急増地ではわずか140uの施設に、子ども100人が詰め込まれているケースもあります。こうした基準不適合の解消と、多数の待機児童解消のためにも、クラブ新設が必要です。県として早急に新設を促すべきです。福祉部長の見解を求めます。


6,「米価暴落から農家を守る緊急対策を」
次に、6,「米価暴落から農家を守る緊急対策を」についてです。
2014年産米の概算金が、県内産「コシヒカリ」で60kgあたり8000円、昨年より4100円減額となるなど、生産コストの半額程度に暴落しています。私も加須市などの農家から直接お話しを伺いましたが、20町歩を超える大規模農家では「1000万円の減収だ。毎月100万円の人件費など、経費すらまかなえない。来年も同じ水準なら、米作りは続けられない」また、「円安による燃料代の高騰、電気料金の値上げで大変だ」などと、本当に深刻です。小規模農家でも「年金と蓄えでなんとか食いつないでいる。このままではみんな米作りをやめてしまう」と、やはり深刻です。米価暴落による農家の実態は、想像以上に重大で、一刻を争って支援を必要とする危機的状況です。まず伺いますが、県はこのような農家の窮状を把握しているのでしょうか?今回の米価暴落による県内農家の損失状況について、緊急の実態調査を行うべきと考えますが、農林部長の答弁を求めます。
 県は米価下落対策として、需要拡大のために県産米のアピール強化、生産コスト削減のための農地集積や、技術革新の支援などを行うとしています。今後の対策として必要なことですが、農家からは、直面する資金繰りへの支援など、速やかな対策を求める声です。そこで、県として、国の対応を待つのではなく、無利子融資制度など、県独自の経営支援策を実施すべきです。農林部長の答弁を求めます。
政府は、「価格に影響する需給調整はできない」として、主食の米の価格を市場原理に委ねてきました。このような政府の無責任な対応が、この間の米価下落をもたらし、日本の米作りを根底から破壊してきた本質です。米価を市場原理に委ねる考え方をあらためるべきです。
農業再生のためには、生産コストをしっかりカバーする施策こそ必要です。
そこで知事、農家が安心して米作りが続けられるよう、国に対してコメの需給調整に直ちに乗り出すとともに、価格保障・所得保障を抜本的に強化するよう強く申し入れるべきと考えますが、見解を伺います。

7,「県南部地域の特別支援学校の増設と西南部地域特別支援学校の通学区域再編について」
続いて、7,「県南部地域の特別支援学校の増設と西南部地域特別支援学校の通学区域再編について」です。
党県議団は繰り返しこの場で、特別支援学校の教室不足や過密を指摘し、解消へ計画的増設を求めてきました。この5年間、県立特別支援学校の在籍者数は1150人増加、今年度不足教室数は195と、生徒数の増加に新設が全く追いついていません。
私も再三指摘してきましたが、特に県南部での過密問題は一刻の放置も許されない状況にあります。川口特別支援学校では、保育所のような狭い校庭で、小・中・高校生が運動会を行ない、高校生はバスで他所のプールへ通わなければなりません。越谷特別支援学校は肢体不自由児の学校でありながら、250人もの在籍児童・生徒がおり、全国でも10本の指に入る大規模校と言われています。川口市や草加市からも多数の肢体不自由児がバスで通っています。自宅からバス停までも距離があるため、通学に片道2時間の生徒もいます。
教育長に伺いますが、県南部地域に、早急に知的と肢体不自由の特別支援学校増設が必要です。特に、川口市内に高等部の増設を求めるものです。答弁を求めます。
県はこの間、旧学校跡地を利用して特別支援学校の増設を行なってきました。入間市にできる知的障害児の高等部、西南部特別支援学校もその一つです。この設置に伴い、学区再編が行なわれますが、所沢特別支援学校と所沢市内のおおぞら特別支援学校高等部の生徒は、西南部へと転学を余儀なくされます。中には通学時間が15分程度から、1時間以上へと激増する生徒もいます。この間、保護者説明会が行なわれていますが、保護者からは転学について強い反発の声です。おおぞら特支は5年前の新設校であり、学区再編が行なわれたばかりです。「一度入学させておいて、またすぐ転学というのはひどすぎる」「目と鼻の先にある学校に通えないと言うのは理解できない」などです。
そもそも今回の混乱は、西南部特別支援学校を職業科も含めた高等部単独校として、西南部地域の高等部生徒を集約したことにあります。入間市に小・中・高等部という普通の特支学校をつくっていれば、これほどの混乱は避けられたはずです。
私は、障害児の保護者の日頃のご苦労を思うと、県の方針を押しつけるべきではないと考えます。教育長、批判の声に耳を傾け、個々の保護者の声を最大限に尊重すべきではありませんか、答弁を求めます。

8,「埼玉県に公立夜間中学の設立を」
次に、8,「埼玉県に公立夜間中学の設立を」についてです。
1985年に川口市に自主夜間中学が設立され、毎年、延べ3千人近くの人が学んでいます。資金も無い中、無償のボランティアに支えられ、来年は30周年を迎えるそうです。関係者の皆さんの献身的なご努力には本当に頭の下がる思いです。
生徒の一人、16歳の男子は文集の中で「行く前にはいろいろな不安がありました。ちゃんと授業が理解できるのか、などの不安がありましたが、丁寧に教えてくれるので勉強をするのが楽しく感じるようになりました。」と語っています。定時制高校を受験するそうです。
夜間中学は戦後の混乱期に、学校どころでない子ども達のために始まりました。今日では、貧困や不登校、ひきこもり、外国人など、様々な事情を抱え、国籍も年齢もバラバラな人達の学びのより所となっています。しかし、全国8都府県に31校の公立夜間中学がありながら、わが埼玉には1校もありません。多くの人は東京の夜間中学まで通っているのです。
昨年、川口市内の81歳の女性は、東京都荒川区立第9中学校夜間学級を卒業しました。その方は、戦時中、家庭の事情で国民学校高等科に行けないまま結婚し、3人の子どもに恵まれたが、その子らに勉強を教えることができなかった。町内会の会合に出ても発言は控えがち、勉強していない自分に気後れしていたのです。悔いを残したくないと、埼玉に公立の夜間中学がないため、自宅から学校まで片道2時間かけて都内まで通ったのでした。
この4月、超党派の国会議員による「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」が発足し、政府にも公立夜間中学支援の動きが始まりました。埼玉ではどうでしょうか、先の決算特別委員会で、私の「少なくとも義務教育未就学者の実態把握を実施すべき」との質問に、答弁は、「国の動きも注視して、市町村と協力して研究していきたい」と消極的でした。そこで、知事に伺います。義務教育未就学者の教育を受ける権利を保障するために、せめて本県にも1校、公立の夜間中学を設立していただきたい、その検討に大きく踏み出していただきたい。答弁を求めます。
 

9、「県内全駅のバリアフリー化の早期実現を」
最後に、9、「県内全駅のバリアフリー化の早期実現を」についてです。    
一日当たりの利用者が3千人を超える駅は、バリアフリー法の対象駅となります。現在、段差解消の未整備は11駅あり、解消率は93.8%、エレベーターやエスカレーターの未整備駅もあります。県内の公共交通施設における利用者の安全確保に責任を負う県として、一日も早く全駅のバリアフリー化を実現していただきたい。企画財政部長の答弁を求めます。
続いて、JR南浦和駅についてです。当駅は大宮、浦和、川口についで、一日の乗車客数はJR線内4番目に多い駅で、5万9千人を超えます。利用者や住民は一日も早いバリアフリー化の実現を求めています。とりわけ、エレベーター設置は切実で、現在、JRとさいたま市において整備が進められています。改札の外のエレベーター設置では、今後、西口・東口ともに整備の予定ですが、東口のエレベーター設置予定箇所には、現在、交番があり工事の障害となります。そこで伺います。エレベーター設置においては、県として交番の移設を速やかに行うなど、円滑な工事に協力していただきたいが、警察本部長の答弁を求めます。
                            

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