県の借金が29年末には4兆円超の見通し、八ッ場ダム、県負担金の総額未定
県議会決算特別委員会
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質問する村岡県議 |
埼玉県議会決算特別委員会は23日、2013年度(平成25年度)決算のうち総括的事項と企画財政関係の事項について審査しました。日本共産党の村岡正嗣県議は県債残高の増加や、八ッ場ダムの基金事業などについてただしました。
株高による税収増ではなく、県民の安定雇用と所得増で増収を ―総括的事項
2013年度の県税収入は対前年度比で133億円、2%増加しています。特に、個人県民税は、株式等譲渡所得割が前年比の約10倍、115億円となり、148億円の増収となりました。
村岡県議は、株価の状況は政府の政策誘導の結果が大きかったとし、株価が上がらなければ今回の増収はなかったとも言えると指摘。歳入のあり方として、個人県民税を増収するためには、安定雇用や所得の増加を図り、県民が税金を払えるようにすることが大事ではないかと県の見解をただしました。
県側は、「ご指摘はその通り」と述べ、産業・雇用政策により県民が税金を負担できる力をつくることの重要性を強調しました。
村岡県議は、県税収入の増加を図るうえで、産業の活性化、雇用の安定、所得の増加のための施策の充実を図り、結果として、県民が税金をはらえるよう、関係部局が連携して取り組むよう徹底することを重ねて求めました。
29年末、県債残高4兆円超の見通し
臨時財政対策債(臨財債)の増加などにより県債残高が毎年増加しています。2013年度は800億円余りの増で県債残高全体では、一般会計予算の2倍にあたる3兆6600億円超、県民一人あたり約50万円にのぼります。
村岡県議は、県債残高が今後、毎年800億円程度の増で推移すると、4年後には4兆円を超えるのではないかと指摘し、今後の見通しとして県の試算を質問しました。
県側は、「試算では、平成29年(2017年)末には4兆円を超える見込みである」と答えました。
臨時財政対策債(臨財債)とは・・・
国の地方財政対策において、地方交付税に替わって地方全体の収支不足を補てんするものとして発行が認められた県債です。臨財債の償還元金と利子は、将来国が交付措置すると約束し、都道府県の財政力によって毎年、割り当てます。埼玉県の臨財債は年々増加し、2013年度は2024億円となり、県債残高を増加させる要因となっています。
八ッ場ダム、基金事業で最大66億円の県負担か ―企画財政事項
4600億円にのぼる八ッ場ダム建設事業とは別に、住民への補償を補完するために基金事業が行われています。平成25年度までに「道の駅」やクラインガルデン(貸し農園)などの事業に約25億円が執行されています。
村岡県議は、八ッ場ダムについて県が4600億円以上の増額は認めないとしている一方で、基金事業の方は全体額が未定とされている問題点を指摘。今後の基金事業の見通しや上限額などについてただしました。
県側は、「現在、関係自治体で協議中だが、群馬県からは最大178億円の事業計画が示されている。その場合、埼玉県の負担は最大で65億7700万円となる」と答弁しました。
ダム建設事業費に対する県の負担金と基金事業への県の負担金をあわせて、県の負担総額についてはいまだ未確定であることが明らかになりました。
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