医療的ケアの必要な重症者、強度行動障害者の家族の願い代弁して 柳下県議一般質問
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傍聴者にご挨拶 |
9月29日の県議会本会議で柳下県議は、医療的なケアが必要な重症児や強度行動障害等の重度障害者のための施設を拡充するよう要求しました。
会場には、重度障害児を育てる家族らも駆けつけ、質問を見守りました。
医療的ケアの必要な子どもたちの施設拡充を要求
不妊治療・周産期医療の発達とともに、超未熟児の生存が可能になっています。しかし、現状では多くの子どもが人工呼吸器、気管切開など医療的ケアを受けざるをえない状態で、NICUから在宅療養にもどります。子どもの看護は、母親一人に任せられ、お母さんたちは、24時間365日子どもにつきっきりの生活を送っています。支援のための施設は、医師や看護師など医療スタッフの配置が必要なため、入所施設も通所施設も不足しています。
看護師配置のため、報酬改定を
柳下県議は、入所施設の利用者対看護師の配置割合を1対1にするため、報酬改定を国に求めること、また当面は県が足りない分を補てんするよう求めました。
鈴木豊彦福祉部長は国に報酬アップを要望するとともに、県としての独自加算=特別療育費を支給していくと答えました。
また、児童発達支援や放課後デイサービスなど通所施設についても、看護師を配置するために、看護師加算を拡充するよう求め、あわせて、施設の送迎バスへの看護師配置も求めました。
これに対して鈴木部長は、国に対して看護師の報酬の抜本的増額と日割り計算の見直しを要望するとしました。また送迎車について事業所から送迎の実態をよく聞くなどして現状を把握し、対応を検討すると約束しました。
強度行動障害者のために県立嵐山郷の拡充を
また、柳下県議は相談を受けた強度行動障害についても取り上げました。強度行動障害は、かみつきや暴力などの他傷行為、壁に頭を打ち付けるなど自傷行為が特徴の障害です。家中がめちゃくちゃになってしまう、体中傷だらけなど、介護する保護者は限界です。しかし、入所や短期入所を受け入れる施設は、埼玉県内では、社会福祉事業団の運営の嵐山郷など一部の施設に限られています。
重度加算は1日100円??
柳下県議は、入所施設やショートステイの拡充を求め、1日100円という重度障害者加算のアップと、県立嵐山郷の拡充を求めました。
鈴木福祉部長は国に対して実態に即した報酬改定を求めるとともに、嵐山郷のショートステイ定員を8人から14人に増やすと答弁しました。また、老朽化に伴う改築の際に、定員増の検討も行なうと表明しました。当面、県立施設として民間施設では対応が困難な障害者を優先的に受け入れると約束しました。
たくさんの傍聴者のみなさん、ありがとうございました。
当日は約70名の傍聴者が駆けつけて下さいました。
重症児を育てているMさんは「送迎バスに看護師を乗せている施設は県内1カ所もない。ぜひ、実現してほしい」と、語っていました。
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