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お忙しい田村先生が自ら御案内くださいました。ありがとうございます。 |
5月22日、柳下団長、村岡・奥田両県議は、川越市にある埼玉医科大学総合医療センター内の総合周産期母子医療センターを訪ねました。
応対いただいたのは、田村正徳総合周産期母子医療センター長と諸田総合センター事務局長です。
周産期医療は、胎児や赤ちゃんとそのお母さんの医療ですが、このセンターはその中でも非常に困難な方のための医療機関です。
総合周産期母子医療センターとは、母体・胎児集中治療管理室(M−FICU)を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室(NICU)を備えた医療機関です。常時、母体・新生児搬送受入体制を有し、母体の救命救急への対応、ハイリスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療等を担っています。
当センターはNICU・MFICU(新生児や胎児、母の集中治療床)と後方病床合計108床を有する東洋1のセンターです。
胎児を写す3Dモニターを考案された馬場一彦先生も当センターに所属されています。
NICUが足りない→増床後なにが????
当センターを訪ねたのは7年前のことでした。田村先生とお話しをして、埼玉県のNICUの数が東京に大きく立ち遅れ、救急車で送られてくる妊婦さんをお断りして、東京に送らなければならないという状況に驚きました。
その後、NICU不足を柳下県議が委員会でとりあげ、保健医療部長に申し入れも行ってきました。
結果当時24床だった当センターのNICUは45床に。県内NICUの数も83床から135床に大きく増床しました。
今、この到達に立って、周産期医療はどのような問題を抱えているのかが、今回の視察・懇談の目的でした。
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いわさきちひろの絵があちこちに飾られていました。 |
お母さんたちの心に配慮
MFICU(母体の集中治療床)のある階にはたくさん「いわさきちひろ」の絵が飾ってありました。何ヶ月にもわたる入院生活を送らなければならないお母さんたちの気持ちが少しでも癒やされれば、という配慮です。
まっくらが安心
NICU(胎児・新生児の集中治療床)の部屋は、一部屋にまとまっています。
約300グラムの手のひらにのってしまうような赤ちゃんが賢明に生きています。
本来胎内にいる時期の赤ちゃんは暗い方が安心します。明かりを落としているのはそのためです。
実は、つかっていないNICUが・・・・
次に案内していただいたのは、使っていないNICUの機材の部屋でした。
たくさんのNICUがオープンできないのは、人手が足りないからです。
NICUは新生児の専門医と看護師さんが3人必要です。
人員が確保できないため、オープンできません。
田村先生自らが医大に出向き、医師の派遣を要請したり、給与を上乗せしたり、夜勤を必ず2人体制にするなど労働条件の改善を図っています。
看護師は年間で150人は退職するとのことで、養成機関をもっているセンターも募集に必死でした。
現在45床のNICUに101名の看護師さんが必要ですが、
60床稼働が目的です。大変な数の看護師さんが必要です。
NICUの卒業生の「カルガモの家」
依然訪問したときに課題となっていたのは、あかちゃんでなくなってもNICUから出られない重症心身障害児の問題でした。
今回はその施設「カルガモの家」が隣に建設され、NICUに長期滞在の患者はいなくなったようです。
しかしこのカルガモの家も、人手不足で定員いっぱい受入はできません。
医師不足・看護師不足こそ、周産期医療の重大課題となっているのです。
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