11月22日、党埼玉県委員会の国への予算要望が行われ、柳下県議は厚労省に24項目の要望を提出し、懇談しました。塩川鉄也衆議院議員が同席しました。
懇談の話題は国民健康保険税に集中しました。
厚労省は、低所得者や高齢者を被保険者とする国保の財政が厳しいことから、市町村の運営から都道府県単位の運営へ広域化を進めてきました。
390万世帯が滞納。負担限界
懇談中、柳下県議の質問に対して、厚労省は全国の滞納世帯が388万9486世帯にも上ることを明らかにしました。
「鴻巣市は所得ゼロ世帯が3割、所得200万円以下が7割に上っている。国保の税負担は限度を超えているのではないか」と指摘。厚労省は「保険税は所得と人数、資産等(いわゆる4方式)で計算できるようになっている」と問いには答えませんでした。
Q広域化の押しつけやめてほしいA統一という方針は出していない。
「保険税の4方式を2方式に統一という、広域化方針のもとで、所沢市は保険税が値上げされる。国は2方式へと言う方針を指導しているのか?」
「広域化によって保険税があがって、被保険者の負担がいっそう増えるのではないか?」
「広域化によって、一般財政からの繰り入れができなくなったら、市の試算では1人1万2千円保険税が値上げとなると報告されている。川越市のように豊かな市でもこう言われているのに、財政の厳しい自治体はどうなるのか?」
市民の不安の声が次々代弁されました。
厚労省は
「2方式に統一という方針はだしていない。」
「保険税を必ずしも統一すると考えてはいない。モデルを定めてと言うことも考えてはいない」
「都道府県の意見を良く聞く」などと答えました。
厳しすぎる保険税の徴収について
「赤や黄色の目立つ督促状が配布されている。プライバシーの侵害に当たる。やめるよう指導してほしい」という意見に対して、
厚労省は
「そういうものをみたことはない。」と答えました。
また
「給料の60%を差し押さえるとか、住んでいる土地や家を差し押さえ競売にかけた例が春日部で2件もある。立ち直ることを不可能にする差し押さえは許されない。実態をつかんで指導してほしい」という意見も。
厚労省は
「実情をつかんで指導、周知していく」と答えざるを得ませんでした。
国庫負担の引き上げで、国保の立て直しを
「国保に対して国庫補助を減らしてきたことが、国保財政の破綻を招いた。国庫負担を増やしてほしい」
「川越では80年代半ばまで50%が国の負担だった。今は25%にまで落ちている。復活してほしい」という要望について、
厚労省は
「本来国保は保険として運営されるべきもの。」と前提したうえで、平成26年(消費税増税後)低所得者への減免制度を導入すると答えました。
そのほか介護保険や特養の待機者、保育所など様々角度から要望が出されました。
「少人数学級のための定数改善を概算要求」と文科省
文科省の予算要望では、中学3年までの35人学級の早期実現、教職員の多忙化解消のための教職員増員などを中心に懇談しました。
国の担当者は、少人数学級実現のための2100人を含む3800人の教員定数の改善を来年度概算要求にもりこんだことを明らかにしました。また、教員の多忙化について、国の調査でも一カ月の残業が平均42時間となったとして、教職員を増やして多忙化を解消することが必要であるとの認識を示しました。
参加した地方議員からは「草加市では、臨時的任用(臨任)の教職員の割合が二割近くときわめて高い」「上尾市では、市独自の30人学級(小学2年)がなくなってしまった」などの各自治体のリアルな実態が出されました。
国の担当者は「埼玉県は定数内の臨任教職員の割合が12.3%であり、全国的にもかなり高い。定数内の臨任教職員は減らすべきと考えている」と答えました。
その他に、学校耐震化の推進、公民館や図書館への指定管理者制度の見直しなどについて要望が出されました。
「UR団地の戸数削減やめて」切実な声
国土交通省に対しては既存公共施設の老朽化対策、八ッ場ダム建設の中止、公営住宅、公共交通機関の整備などについて要望しました。大門みきし参院議員が同席しました。
UR都市公団の賃貸住宅(団地)については「戸数削減の方針を中止してほしい」「入居者には高齢者や低所得者も多く、家賃値上げは命に関わりかねない大問題」「高齢者は1階に住み替えると言っても、戸数に限界がある。エレベーターの設置を」「空き室の多い団地もある。家賃を下げて若い人に入ってもらった方が、管理上も都合が良いのでは」と、要望や提案が多数あがりました。
「国の支援金では修理できない」「もっと使いやすい制度に」災害対策の改善強く求める
今年9月に埼玉県内で発生した竜巻被害に関連して、災害救助法や国の被災者生活再建支援制度の改善を、塩川衆院議員とともに内閣府に要望しました。
担当者は、国の被災者生活再建支援制度は都道府県・市町村で対応できない大規模な災害を対象としており、小規模な災害については都道府県・市町村で対応してもらいたいと発言しました。
参加者からは「一部損壊でも修理に数百万円かかる場合もあり、自己資金と保険で対応せざるを得ない。制度の対象を広げ、金額も増やしてほしい」「災害救助法による応急修理は市町村に事前届出が必要だが、竜巻の直後に台風が来た熊谷の場合、文字通り応急修理が必要。制度が実情に合っていない」など、実態をもとに制度改善を求める声があがりました。
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