国民健康保険の立て直しは国の責任で
県が、国保税統一(2方式)の押しつけ見直し言及―決算特別委員会
11月11日埼玉県議会決算特別委員会が行われ、保健医療と警察に関わる決算の審議が行われました。
国民健康保険制度の広域化は見直しを
柳下県議は国民健康保険制度について、国保税が高すぎるために、H24年度全県で短期証(有効期限が半年の保険証)の発行が4万件に上っていること、市町村の繰り入れも540億円を超えていると指摘し、財政難の自治体同士の広域化では国保財政は立て直せないのではと質問。国保医療課長は「国保は被保険者の大半が低所得者であり、市町村ごとに運営規模も違う。今後、国の責任で財政措置することが(広域化の前に)大前提」と答弁しました。審議の中では、県が進めて来た国保の広域化方針の一つである、保険税4方式の2方式への統一が、低所得者の税負担増につながっているとして批判も。県は、国(社会保障改革プログラム法案)によって方針転換があり、保険税方式も必ずしも統一しなければとはなっていない。国の動向を見守り支援方針見直しも考えている(趣旨)と答えました。
●国保の広域化とは
国による国保広域化方針をうけて、埼玉県はH22年から「広域化支援方針」を策定。国保の「県単位」の運営を目指して、4方式を2方式とする国保税の統一や税収納率の低い自治体への徴税強化指導を行ってきました。党県議団は、このような広域化ではなく、現行32%の国庫負担割合を1984年水準の45%まで戻すように国に強く求めるべきだと指摘してきました。
子ども医療費拡充と、補助金の差別をやめよ
柳下県議は、県内市町村の大半が子ども医療費助成制度について、対象年齢を義務教育終了までに拡充したことをうけて、県も市町村を支援するために対象年齢を就学前から拡充するよう求めました。
また医療費助成制度は、県が実施市町村に2分の1補助するしくみですが、財政力指数に応じて、豊かな自治体は3分の1、準じる自治体は12分の5として補助割合に差をつけています。年々市町村財政が悪化して財政力指数の高い自治体が減っていることから、差別をやめるように求めました。国保医療課長は「制度維持のためにも当面はこのままでいきたい」などと答弁しました。現在、唯一3分の1補助とされている戸田市選出の議員が「市は努力して財政健全化を図っている」として、補助金差別をやめるよう強く求める1幕も。
県外医学生への奨学金、枠を大きく広げて
党県議団は医師確保対策の一環として県外の大学へ進学した医学生への奨学金制度を要求し、H24年度から実現しています(1人月額20万円)。柳下県議の質問に答えて県は「10人の枠に55人が応募してきた」と明らかにしました。柳下県議はこの枠をさらに拡充するようもとめ、医療整備課長は「医師確保対策全体の中で検討する」と答弁しました。
西埼玉中央病院、「複数」の小児科医見込み?
柳下県議が所沢市にある西埼玉中央病院が医師不足により周産期医療(赤ちゃんと母体医療)を休止していることから、新生児専門医の確保をはかり再開するよう強く求めたところ、医療整備課長は「産科医が1人確保できて産科が再開した。また4月には小児科医が複数確保できる見込み」と周産期医師確保の決意とともに同病院の小児科拡充の可能性も答弁しました。
住民の要望に応え、既存道路への信号機増設を
平成24年には、県民から信号機設置の要望が234件寄せられています。柳下県議は、平成24年度に設置された信号機が86か所にとどまり、そのうち危険防止のために既存の道路に設置された信号が36機ととても少ない現状を指摘。県民が安全に交差点を渡れるように住民の要望にそって、既存道路への信号機設置を大幅に増やすようつよく求めました。
さらに、柳下県議は、設置後に危険性や問題点が指摘されている信号機は各地にあり、その改善が必要だと強調。危険性が指摘されている所沢市内のファルマン通り交差点にふれ、予算をともなわなくても改良ができるところは積極的に対応すべきではないかとただしました。県警は「現地を調査して、赤・青信号の秒数の変更などに積極的に対応している」と答えました。
警部以上の女性警察官は11人のみ―女性幹部の積極的登用求める
柳下県議は、女性警察官の人数が934人、警察官全体で8.2%と依然として少ない状況だと述べ、女性警察官の増員についての県の見解、警部以上の女性警察官の現状などについて質問しました。
県警は、今後5年間、80人ずつ女性警察官を採用する計画を示しました。女性幹部は警視4人、警部7人と警部以上で11人しかいないことを明らかにしました。
柳下県議は、女性警察官採用を増やすとともに、女性幹部の登用を積極的にすすめるよう求めました。
その他取り上げた内容
【警察関係】
・交番の増設
・ストーカー対策の強化
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