TPP参加阻止へ、国に働きかけよ、県産米・茶を守れ、基地の騒音被害軽減を―県議会決算特別委員会
埼玉県議会決算特別委員会は10月31日、2012年度県決算のうち環境部と農林部に関する事項について審査しました。日本共産党の柳下礼子県議はTPPによる県内農業への影響、基地の騒音被害の軽減などを取り上げました。
TPP参加阻止へ、国に働きかけよ ―農林
環太平洋経済連携協定(TPP)について柳下県議は、埼玉県議会でもTPP参加について慎重な対応を求める決議をあげている通り、この問題は重大な問題だと指摘。TPPに参加した場合、県の試算でも米の生産量の約三割が輸入米に置き換わるなど、農産物の生産減少額は合計433億2千万円にのぼることにふれ、TPPの参加は県内の農業生産者にとって死活的な影響をあたえるのではないかと県の認識をただしました。
県側は、「433億円は大きな金額だ」と県内農業への影響の大きさを認めました。
さらに、TPP参加は安心でおいしい農産物をつくろうと努力する県内の生産者と、それを支持する消費者の関係を壊すものであり、TPP参加を絶対に許すことはできないと強調。県は地元の生産者の声をよく聞き、農業を守るとの立場でTPP参加をやめるよう国に働きかけることをつよく求めました。
高温障害から県産米を守れ、試験研究機関の充実を
平成22年の高温障害により県産米や彩のかがやきが深刻な被害を受けた問題で、柳下県議はブランド米として県が作付けを奨励してきた彩のかがやきについて、「もう作付けをやめようかと考えている」との農家の声を紹介。高温障害を克服するためのこれまでの取り組みついて具体的な内容と今後の見通しをただしました。
県側は、生産者への技術指導、高温に負けない品種改良や高温につよい育成方法の開発に力を入れきたと答えました。
関連して柳下県議は、高温障害につよい品種改良などの研究をおこなっている農業総合センターの職員数が201人から151人と5年間で50人も削減され、研究費も半減していることを指摘。埼玉県の農業を守り発展させるため、試験研究機関の職員数、研究費を抜本的に充実させることを求めました。
航空機の騒音被害の軽減を ―環境
柳下県議は、入間基地の騒音被害について「航空機の騒音がひどい」との市民の声を紹介。24年度でもうるささ指数が70デシベルの基準値を超える地点があり、基準を超えないところも70デシベルに近い値を示したことを指摘し、住民の平穏な生活のため騒音の軽減を強く求めました。
県当局は、防衛省や総務省などに要請してきたことを報告し、今後も騒音被害の軽減の対策を関係機関に要請していく考えを示しました。
その他取り上げた内容
【農林部関係】
・狭山茶ブランドを守るための県の支援策
【環境部関係】
・ニホンジカの肉における放射性セシウムの検出
・知事部局全体の放射能対策経費の賠償請求
・埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター、さいたま緑の森博物館など自然環境の保全
・くぬぎ山地区における自然再生の取り組み
▲ページトップへ戻る