県職員の定数削減、八ッ場ダム地滑り対策などただす―県議会決算特別委員会
埼玉県議会決算特別委員会は22日、2012年度(平成24年度)決算のうち総括的事項と企画財政関係の事項について審査しました。日本共産党の柳下礼子県議は県職員の定数削減、八ッ場ダムの地滑り対策などについてただしました。
【企画財政関係】
職員定数のさらなる削減やめよ
企画財政関係の審査で柳下県議は、県が職員定数を平成24年度に85人削減し、23〜25年度の3年間で300人を削減する計画を進めてきたことを指摘。職員定数の削減による長時間労働で職員の長期療養者が増えているとの声を紹介し、精神疾患による休職者数や職員の超過勤務の実態を質問しました。また、職員が能力を十分発揮するうえでメンタルヘルスは大事な課題だと述べ、県としての要因の分析と対策をただしました。
県側は「精神疾患による長期療養者は22年度から24年度まで60〜70人と人数は横ばい」「24年度は医療整備課や障害者支援課などで時間外勤務が月45時間を超えている」「メンタルヘルス対策委員会をたちあげた。要因は複合的で長時間労働との直接的な関係は見当たらない」などと答えました。
柳下県議は、職員定数が減るなかで人数が横ばいなら比率は高まっているはずだと指摘。「1人でも精神疾患の療養者がいれば、職場にはたくさんの予備軍がいると考えるのが当然だ。」と厳しく批判し、県の認識をあらためて迫りました。
県側は、精神疾患による長期療養は県にとっても大きな損失だとして「復職の際は丁寧な対応をしていきたい」と表明しました。
柳下県議は、業務の民間委託を抜本的に見直すとともに、職員定数のさらなる削減を止めること、職員の長時間勤務の改善、メンタルヘルスの対策を抜本的に強化することを求めました。
八ッ場ダム地滑り対策費、総事業費に含まれず
八ッ場ダムの県の負担金に関わり、柳下県議は八ッ場ダム建設で地滑りの危険が指摘され、国も地滑り対策のため新たな調査をおこなっていると述べ、地滑り対策費が総事業費に入っているのか、入っていない場合県の負担金が増えるおそれはないかとただしました。
県側は、国が検証のなかで地滑り対策費として最大149億円を見積っていること、この対策費は総事業費4600億円には含まれず、国はコスト縮減で対応することを認め、「今後、総事業費がふくらまないよう国に強く働きかけていく」と答えました。
柳下県議は、地滑り対策費による総事業費の増額が否定できない八ッ場ダム建設はただちに中止するよう強く求めました。
(その他の質問項目)
●所沢米軍通信基地の東西道路の返還について
●バス利用促進事業におけるバス路線維持対策費の減額について
【総括的事項】
納税者の実態に沿うきめ細かな対応を
総括的事項の審査では、他の委員から徴税強化の取り組みを求める質問が相次ぎ、県の職員チームを各市町村に派遣するなどさまざまな税収確保の取り組みが県から報告されました。
これに対し、柳下県議は、県民は納税したくても納税できない深刻な実態があると強調。滞納処分の執行停止の実態はどうなっているのか、県民の理解と協力はどうなっているのかとただしました。
県側は「財産のない人には滞納処分の執行停止を速やかにおこなっている」と答弁しました。
柳下県議は、一人ひとりの納税者の実態にあわせて市町村がきめ細かな対応をしていけるように県が援助していくことが大切ではないかと迫りました。
県側は「一人ひとりへのきめ細かな対応は大事。モデル基準をつくって、市町村が執行停止をしやすいようにしている」と述べました。
(その他質問事項)
●県債残高に占める臨時財政対策債の増加について
●県債充当事業における直轄事業負担金の割合について
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