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県政トピックス

県内8校の校長を呼ぶ異例の文教委員会-高校日本史教科書採択めぐって
「高校日本史教科書採択の再審査を求める決議」を可決


 県議会文教委員会は13日、実教出版の高校日本史教科書の採択に関して二回目の閉会中審査をおこないました。今回の委員会は、実教出版の教科書選定を申請した県立高校8校の学校長が答弁者として呼ばれる極めて異例の審議となりました。

 20席の傍聴席に前回を超える40人以上の希望者が受付を行ない、県議会文教委員会の不当な政治的介入への県民の関心の広がりをしめしました。

生徒の実情に即して選定 校長の答え

 文教委員会の審議では、8校の校長に対し、自民党や「刷新の会」の委員が「教科書のどの部分が県の教育方針に沿っていると思ったのか具体的に教えてほしい」などと実教出版の教科書を選定した具体的な理由について執拗に質問を繰り返しました。

 しかし、すべての校長が教科書の具体的な内容については踏み込まず、文部科学省の検定を受けた教科書であり、生徒の実情に即してふさわしい教科書として選定したとものだと答えました。

 委員からは「一方的なイデオロギーで書かれているもの」「この教科書を読んで、天皇陛下への尊崇の念は絶対に出てこない」「特定の政党色を感じる」など独断と偏見にもとづく発言もありました。

 また、教育委員長に対しては、「現場の声を取り入れたから混乱した」などと生徒の実情を知っている教員の選定した教科書を尊重した採択を問題視し、採択の再考を激しく求めました。

 教育委員長は「指導資料集を充実させることに力を入れたい」と述べ、採択の再考を拒否しました。

教科書採択の再調査を求める決議を採択

 委員会の最後に、自民党から「高校日本史教科書採択の再審査を求める決議」が提出され、自民、「刷新の会」、無所属の賛成多数で可決されました(民主は反対)。

 公明党は校長を審議に参加させたことに抗議して委員会冒頭に退席しました。

終了後の報告集会 批判の声次々
 委員会後、文教委員会について報告集会が行われ、日本共産党の柳下礼子県議団長が委員会審議を報告し、あいさつしました。

 傍聴した参加者からは、「政治の場で、歴史的事実について評価することはやってはいけない。各学校長が教育の自主性を踏まえてしっかり対応していたことはよかった」「学校で授業のある平日に校長を呼びだすこと自体不見識だ」「一部の委員の独断と偏見による考えを文科省の検定の上におく異常さを痛感した。教育委員会制度への無知もひどい」など批判の声が次々あがりました。

 また、「専門的な知見に基づいた反論を文教委員会に行っていきたい」「議会による政治介入について何らかの形で抗議集会を開いてほしい」などの声が出されました。

 文教委員会に先立ち、日本共産党埼玉県議団は議長などに対して2点の申し入れを行いました。申し入れ書全文はこちらを「政策・提案」のコーナーを参照ください。
(日本共産党の申し入れ書(2種)のPDFファイルです)

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