県議会文教委員会が異例の閉会中審査へ 高校日本史教科書採択めぐって
埼玉県議会はこのほど、文教常任委員会の閉会中審査を実施すると発表しました。発表内容(概要)は以下の通りです。
県民の皆さんの傍聴を呼びかけます。
・調査日時 9月2日(月)午後1時
・場 所 第8委員会室(議事堂5階)
・調査事項 県立高校の日本史教科書の採択について
(県庁ホームページ「県政ニュース」から抜粋)
きわめて珍しい常任委員会の閉会中審査
県議会の会期外に委員会を開く閉会中審査は、所定の手続きを経れば可能です。埼玉県議会でも、決算特別委員会は定例会の会期外に委員会を開いて審査をするのが通例となっています。
しかし、常任委員会の閉会中審査については、埼玉県議会の場合は県政に関する重大な問題や事件についての調査のために開かれる場合が多く、開催自体が珍しいことです。
過去には「中学生・高校生が関わる暴力事件が多発したことに関する調査」(2000年、文教委員会)、「県職員による収賄事件などの不祥事の調査」(2000年、土木住宅都市委員会)などについて、常任委員会の閉会中審査が実施されています。
特定教科書に対して「採択するな」の動き
高校日本史の教科書を巡っては、県議会「教科書を考える議員連盟」が8月12日、「日の丸・君が代」問題で「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した実教出版の日本史教科書を採択しないよう求める要望書を県教育委員長と教育長に提出していました。
県教育委員会は8月22日(木)の会議で、県立高校の教科書採択を行いました。ここでは、実教出版の日本史教科書を含め、各学校が選定した通りの教科書を採択しました。
議会事務局の説明によると、22日夕、田村琢実・文教委員長から議会事務局に対して委員会開催の要請がありました。事務局は翌23日(金)に各委員と日程を調整し、上記のとおり開催することが決まりました。
柳下礼子団長のコメント
今回の県教育委員会の教科書採択手続きには、なんら問題はありません。ただちに調査する必要性もなく、開催目的があいまいなままに文教委員会を開催する異例の事態には到底納得できません。仮に特定の日本史教科書の不採択を求めるための審議であるとするならば、まさに教科書採択への不当な政治的介入と言わざるを得ず、県民の批判は免れないでしょう。
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