生活保護受給者の救護施設「羽生園」の視察
党県議団は4月23日、羽生市にある救護施設羽生園に視察に行きました。
羽生園とは
生活保護法第38条に基づく救護施設として、身体上または精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設である。
運営主体 社会福祉法人 西熊会
事業開始昭和46年
入所定員104人 (現員106人精神障害者6割 知的障害者2割)
はじめに施設全体をご案内いただきました。
レストランは広く開放的で、給食のメニューも栄養計算もされています。
介護支援の必要な人の席も整備されています。
個室は4人部屋で、畳敷きです。きれいに掃除が行き届いています。
風呂は段差がなく、スロープになっており、寝たまま入浴が可能です。
作業室では、小さな醤油などをいれるスポイト作業を行います。
非常に工賃は安く、多くの人が500円(月)ぐらいにしかなりませんが、貴重な体験であり、集団との関わり、生活のリズムを確立できる場です。
精神障害者のかたが6割と聞きました。レストランや廊下でお会いしたみなさんの表情は暖かでした。お花見や運動会など職員の努力が伺えます。
厳しい運営状況の中、早川理事長や馬場次長はじめ、創意工夫をこらし努力されているさまに、柳下団長も「憲法25条の健康で文化的必要最低限の生活を保障するために、党県議団としてもどのような支援ができるか検討していきます」と支援を約束しました。
懇談の中でいくつかの課題が浮かび上がってきました。
課題 高齢化への対応
この施設は介護施設からは除外されていますが、入所者の平均年齢は66.5才です。
年々高齢化する入所者・・・中には介護度4のかたもいます。
職員体制も、介助が必要になればなるほど、人員増が必要になります。
同施設では、人員の配置基準が29人の所、38人という体制を組んでいます。
浴室の改修に500万円かかったように、高齢化が進めば必ず、運営が厳しくなります。
課題 埼玉には2カ所だけ
社会福祉法に基づく救護施設は全国に188カ所
平均的には4カ所となりますが
埼玉県には救護施設は2カ所しかありません。
この10年程度で全国では10カ所程度新設されていますが
埼玉県では40年近く新設はありません。
課題 個室化など
部屋は4人部屋で、畳敷きです。個室は、特別養護老人ホームでも当たり前になりつつあります。しかし、入所定員を大幅に減らし、施設を改修するには法人の努力だけでは限界があります。現在、3%節約を努力し、定員を上回る107人の入所者確保に努めておられるとのことですが(将来的な施設整備に当てる)法人任せでいいのか、問われています。
課題 専門的職員や介護サービス
介護施設や障害者施設から除外されているために、デイケアサービスの利用や精神障害者の専門家精神福祉士を配置することができません。
課題 生活保護費の切り下げ
施設運営費は、生活保護費を措置費として交付されます。国4分の3市町村4分の1ですが、生活保護の切り下げの動きによって、この措置費が削減されます。
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