教職員の退職問題についての団長談話
埼玉県の教職員が年度末を待たずに退職することについて、日本共産党埼玉県議団は1月25日、団長談話を発表しました。以下、全文です。
記者発表資料
2013年1月25日
日本共産党埼玉県議団
団長 柳下 礼子
埼玉県教職員の退職問題について
1月末をもって、埼玉県教職員が退職することに、保護者はじめ学校関係者から不安の声が上がっています。退職希望者の中には学級担任が少なからずおり、2ヶ月を残して担任や教科の先生がいなくなるという事態は教育現場を大きく混乱させるものです。
これは12月県議会で県職員の退職金を大幅に引き下げる条例が可決され、年度途中の2月から施行されることから引き起こされたものです。この事態を招いた根本的責任は、十分な準備も労使間の議論も尽くさず、拙速に条例提出した知事と、十分審議を尽くさず賛成し可決成立させた県議会の各党にあります。
そもそも突然の退職金削減は、国会において昨年11月16日に国家公務員の退職手当の大幅削減法を自民党、公明党、民主党などが衆議院解散当日のどさくさに紛れてまともな審議もせず強行可決し、それが地方公務員にも押しつけられた結果です。県職員・教職員の労働組合は、退職手当削減そのものの問題と同時に、年度途中の施行は混乱を招くと指摘し、条例撤回を求め続けていました。県議会では、共産党が、退職金削減の影響は、警察官や教職員を含む6万人に及ぶことや「被災地の復興支援や県民サービスに懸命に働く職員の士気をおおいにそぐものである」と指摘し、社民党も年度の途中の施行日が混乱を招くと反対していました。
報道によると12月県議会で条例改定を決めたのは16都府県であり、2月までの施行を予定しているのはわずか10都県にすぎません。さいたま市においても、条例提案は未だされていません。
知事は22日の定例記者会見で退職希望者が「思いのほか多く、想像していたより3倍ぐらい多い」「特に担任を持っている教員に関しては、いささか不快です」と発言しています。各方面からこうした事態への懸念が指摘されてきたにもかかわらず条例提出を強行し、長年にわたって奮闘してきた教職員に対して、退職金の大幅削減か年度途中の退職かの惨い選択を迫る知事の姿勢こそが問題です。知事の責任を教職員のモラルに転嫁する発言は許されません。
県教育委員会は教職員の退職の権利を保障するのは当然ですが、なにより2月からの学校現場での混乱を防ぐため最大限の努力をすべきです。
また、この条例はこれから2段階を経て、最終的に職員の退職金を400万円引き下げるものです。いずれの引き下げ時期も年度途中を実施日としています。我が党は、県職員、教職員とその家族の将来設計を狂わすことになる同条例は撤回すべきだとかさねて主張いたします。退職手当の引き下げは国からの要請ですが、本県への影響に鑑み、削減はしないと独自に判断する姿勢こそが、本当の地域主権のあり方だと付言させていただきます。
以上
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