あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

県政トピックス

12月定例会閉会にあたって  団長談話
記者発表
2012年12月21日
日本共産党埼玉県議会議員団
団 長  柳下 礼子       

2012年12月県議会の閉会にあたって(談話)

一、埼玉県議会12月定例会は、「平成23年度埼玉県の一般会計及び特別会計決算」、地方消費税の税率を引き上げる「埼玉県県税条例の一部を改正する条例」など73件の議案を、可決・承認・同意して、12月21日閉会しました。党県議団は、15件の議案に対して主に以下の理由から反対しました。

一、埼玉県税条例改正案は地方消費税の税率を引き上げるというものであり、経済に与える影響の深刻さや国民世論の動向から反対しました。
埼玉県国民健康保険財政調整交付金条例案は、国保への定率国庫支出金の引き下げに伴い県財政調整交付金を引き上げるものです。国保財政の深刻さは、かつて約50%だった国庫支出を国が段階的に引き下げ、約25%までに後退させたことに起因しています。このたびの法改正によって国が国庫支出金をさらに2%引き下げ、県の負担としたことは到底容認できません。埼玉県は国保の広域化を進めていますが、市町村の助け合いで国保財政の危機は解決できる訳ではありません。国保財政の立て直しは、まず国の負担を50%に戻すところから始めるべきであると考え反対しました。
埼玉県青少年健全育成条例改正条例ですが、青少年に入れ墨を施す行為を罰則つきで禁止するというものです。一般社会では「入れ墨」というとまず暴力団関係者とイメージされる、入れ墨は安易に消すことができなどの問題を青少年に広く啓発することは極めて重要なことです。しかし入れ墨の範囲がタトゥーやアイラインや眉毛まで含まれ、外国人まで対象とされ、罰則をもって禁止することなど、十分に審議が尽くされたとは言い難く、条例化は余りに拙速です。医師法では、医師免許を持たないものが業として入れ墨を施すことを禁じており、法による取り締まりを徹底することが先決と考えます。
児童福祉法施行条例案は、待機児童の多い川口市、朝霞市で1歳児のほふく室の最低基準を3.3uから2.5uまで縮小可能に緩和します。保育室の広さは、子どもの安全と成長・発達保障の観点から重要な基準であり、待機児童解消を理由に、基準をさらに引き下げることを認める条例案には反対しました。
職員の退職手当に関する条例案は、国に準じて退職手当の基本額を段階的に引き下げるもので、職員定数削減の中、被災地の復興支援や県民サービスのために懸命に働く職員の士気を大いにそぐものともなります。影響を受ける対象者は、警察・教員も含め6万人に上り、今後市町村もそれにならうならば、地域経済に深刻な影響を与えるとして反対しました。

一、平成23年度埼玉県の一般会計決算、水道用水供給事業会計決算、病院事業会計決算の認定について@私立幼稚園父母負担軽減金のうち、これまで全員を対象に年額4000円を補助していた「一般補助」を廃止したことA県立小児医療センター移転前提の「さいたま新都心医療拠点整備土地鑑定評価費」等を支出したことB八ッ場ダム事業費等が執行されたことC人口比で全国1少ない職員数をさらに170人も削減したことD東日本大震災によって本県でも液状化被害をはじめ深刻な被害が発生しましたが、こうした県内の被災者に対して県独自の財政支援を一切行わなかったこと、以上を主な理由として認定しませんでした。

一、教育委員として親学推進協会の吉田敬岳氏を任命する同意案件について、党県議団は、同協会が発達障害の要因を「乳幼児期の親の愛着不足」などとする非科学的な見解を広げ、障害者団体などから批判を受けている団体であることからその顧問である氏を不同意としました。

一、本定例会には、少人数学級などを求める「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願」が約11万人の署名とともに、また私立学校の運営費補助の増額などを求めた同名の請願が約8万5千人の署名とともに提出されました。付託常任委員会がこれを不採択としたため、党県議団は採択を主張して、本会議での討論を要求しました。しかし議会運営委員会は「あえて取り上げる必要はない」という多数意見をもって討論を認めませんでした。多数の県民の声を封殺するようなやり方は許されません。

一「緊急経済対策の早急な実施を求める意見書(案)」が自民党など一部の会派から提案されました。党県議団は、出口の見えない不況に中小企業から悲痛な声が寄せられており、一刻も早いデフレ不況のために、消費税の増税中止や中小企業対策など、庶民の懐を暖める政策が求められています。このような観点から本意見書案にはおおむね賛成できますが、「大胆な金融緩和を実行すること」は経済の大混乱を招く危険性があり、反対しました。同様に、民主党・社民党も反対しました。本来意見書は全会一致が原則です。民主的な議会運営を強く求めるものです。
以上

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