障害者雇用、中小企業支援、臨時的任用教職員の問題などただす 県議会決算特別委員会
埼玉県議会決算特別委員会は11月14日、2011年度県決算のうち産業労働部と教育局の所管事項について審査しました。
産業労働部
日本共産党の村岡正嗣県議は産業労働部の関係で、障害者雇用と県内中小企業の実態調査について取り上げました。
障害者雇用開拓員の成果への評価と今後の取り組みは
埼玉県は11年度、新たに障害者雇用開拓員を5人配置しました。開拓員は県内企業1010社を訪問して448人の求人を開拓し、243人の採用決定になりました。
村岡県議は障害者雇用開拓員の成果をどう評価し、今後に生かすつもりか質問。県側は、直接訪問して得た情報を障害者雇用サポートセンターにつなぎ、就労希望者とのマッチングをしたことで243人の雇用に結びついたと説明し、サポートセンターと連携してさらに就労につなげたいと答えました。
県内中小企業の実態つかみ実効ある支援策を
県は11年度、「県内中小企業経営動向調査」を実施しています。村岡県議はこの内容について詳細を質問しました。
県側はこの調査は年4回(6月、9月、12月、3月)、2200社へのアンケート調査と36団体・企業への直接聞き取り調査によって実施していると回答。11年度については東日本大震災の影響調査を緊急に実施し、その結果をもとに「経営安定基金・震災特別貸付」を創設したと述べました。また、国や民間シンクタンクの調査もあるが、県として状況を把握することが大事だとの認識を示しました。
村岡県議は改善・検討事項として「依然厳しい経営環境にある県内中小企業の実態をきめ細かく調査・把握し、実効ある中小企業支援策のさらなる推進をはかる」ことを求めました。
教育局
村岡県議が取り上げた項目
・臨時的任用教職員
・教職員の人事管理と健康管理
・学校施設の耐震化
・普通教室へのエアコン設置
高い臨任の比率、長期化の改善を
村岡県議は臨時的任用教職員(臨任)について、「埼玉県では小中学校で全教員の1割前後、特別支援学校では2割近くが臨任。臨任の比率はこの5年間で増加の一途だ」と指摘し、臨任の比率は他都道府県と比べてどうか、埼玉県の実態をどう考えて改善につとめてきたのか質問しました。
教育局は、臨任の比率について具体的数字は示さなかったものの、全国的に見て高比率だと認め、比率を下げる努力をしていると答えました。
村岡県議は、長期間臨任として働き続けている人が多くいることを問題視し、最長で何年間臨任を続けている人がいるのか質問。教育局は「定年の60歳まで臨任として働いている人がいる」と答えました。
改善・検討事項として村岡県議は「臨任の長期間化の改善をはかるとともに、正規採用枠を拡大するなど定数内臨任を計画的に縮小すること」をあげました。
教職員の精神疾患 原因解明への取り組みは
教職員の健康問題で村岡県議は、特に精神疾患の増加に歯止めがかかっていないのではないかとの危惧を表明し、原因解明への取り組みをたずねました。
教育局は、教育関係職員の疾病について勤務の可否などを審査する「埼玉県教職員健康審査会」で審査された1306件のうち、約6割にあたる773件が精神疾患によるものだったと説明。また、精神疾患による休職はピーク時より減少したが、まだ高い水準にあるとの認識を示しました。
小中学校普通教室へのエアコン設置 県として支援策検討を
普通教室へのエアコン設置について村岡県議は、小学校の設置率が3割を下回るなど、なかなか設置が進まない理由は財源の問題にあると指摘。県としての整備方針と、11年度の具体的な取り組みについて質問しました。教育局は、小中学校へのエアコン設置は設置者である市町村の判断であり、県として特に方針を持っているわけではないと回答。県教委としては国の助成制度についての周知や、暑さ対策についての事例集の作成・配布をしていると述べました。
村岡県議は改善・検討事項として、エアコン設置促進のために県としての支援策の検討を求めました。
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