留守がちの交番の改善、周産期医療の充実とNICU増床を 県議会決算特別委員会で村岡県議
埼玉県議会決算特別委員会は11月12日、2011年度県決算のうち警察本部と保健医療部の所管部分についての審査を行いました。
日本共産党の村岡正嗣県議が委員会で取り上げたテーマは、以下の通りです。
【警察本部】
・東日本大震災への対応(停電時の信号機対策=発電機を備えた信号機や移動式の発電機による信号機点灯、災害発生時の交通整理)
・交番・駐在所への警察官の配置
・振り込め詐欺など(被害額が増えた理由、年度により検挙率が大きくばらついている理由)
【保健医療部】
・後期高齢者医療制度(県に対する財政支援の要請)
・乳幼児・重度心身障害者・ひとり親家庭等の各医療費助成制度(助成のしくみ、財政の苦しい町村に対する補助率引き上げ)
・小児救急医療体制(2次救急医療体制、小児科や産科・産婦人科を掲げる医療機関の減少)
・NICUの整備
警察本部
交番の留守多く、困っている人も
警察本部が議会に提出した資料によると、交番・駐在所(計373カ所)に配置されている警察官は2011年4月現在で2226人(前年同月比2人増)です。
村岡県議は「交番の数も配置されている警察官の数も、ほとんど増えていない。市民から見ると、パトロールで留守中の交番が多いと感じている。特に駅前の交番などでは留守で困っている人をよく見かける」と指摘し、通常のパトロールで交番を留守にする場合の対応策をただしました。また、市民からの相談件数の多い交番には警察官を多く配置するなどの配慮をしているのか質問しました。
答弁に立った地域部長は、制服姿の警察官を見せるとの方針の下、交番勤務員の街頭での活動を強化していると現状を説明した上で、警察官が留守の時にはユニフォームを着た非常勤の「交番相談員」を配置して対応していると答弁。また、通常の交番勤務は2人1組の3交代制だが、駅前の交番などでは9人1組の3交代制をとっていると述べました。
村岡県議は、住民からの相談の多い交番にはすべて交番相談員を配置しているのかを重ねて質問。警察本部は、相談に来る人の多いのは駅前などであり、それらには相談員を配置していると答えました。
山岳救助隊が出動すると留守になる交番の対策は
関連して、山岳救助隊についても取り上げました。埼玉県警の山岳救助隊は通常、秩父警察署と小鹿野警察署および両署管内の交番に勤務しており、遭難事故が起こると出動します。村岡県議は、山岳救助で出動したあとの交番の対応はどうなっているのかをたずねました。地域部長は、埼玉県では山岳救助隊を専従で設置する条件はなく、出動時は近隣の交番や警察署が協力してカバーしていると答えました。
保健医療部
小児2次救急の輪番体制が埋まらない
村岡県議は、2011年度でも小児2次救急医療の輪番病院が全ての曜日で決まっていない医療圏があると指摘し、県の対応策を質問しました。県は、現時点で輪番が埋まっていない医療圏が4地域あるとし、県としては拠点病院の支援として、開業医に夜間に来てもらって診療してもらう取り組みや、県立小児医療センターや大学病院の医師を夜間当直に派遣するなどしてきたと答えました。
NICUは今年10月現在、全県で92床あります。村岡県議がNICUの増減について聞いたところ、県は11年度には101床あったものが、西埼玉中央病院(所沢市)のNICU休止により減少したと説明しました。また、NICUのない医療圏があるとの村岡県議の指摘に、県は150床を目標に整備し、NICUのない地域については近隣医療機関との連携で対応するとの考えを示しました。
施設あっても医師不足で稼働できないNICUも
村岡県議は重ねて、施設は整っていても医師が足りないために稼働できていないNICUの有無を質問。県は、さいたま赤十字病院(さいたま市)と西埼玉中央病院が医師不足を理由に休止していると答えました。
改善・検討事項として村岡県議は「総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターの増設と医師確保、NICUの増設をはかること」をあげました。
窓口負担なくす改善を 乳幼児医療費助成制度などめぐり指摘
村岡県議はまた、乳幼児・ひとり親家庭等・重度心身障害者の各医療助成制度について、いったん窓口で支払った医療費が後日返ってくる「償還払い」から、窓口での医療費負担なしに受診できる「現物給付」に改善することを求めました。
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