再生可能エネルギー、野生鳥獣、調節池の整備活用についてただす 県議会決算特別委員会
埼玉県議会決算特別委員会は11月6日、2011年度決算のうち環境部と県土整備部の所管事項について審査しました。
環境部
日本共産党の村岡正嗣委員は環境部の関係で、再生可能エネルギーに関する取り組みと、野生鳥獣による植生被害などへの対策について取り上げました。
太陽光以外の再生可能エネルギーも検討を 意欲ある県民への支援拡充を
再生可能エネルギーをめぐり、埼玉県は2011年度に実現可能性の検討を行い、報告書を作成しました。村岡委員は、この検討が太陽光に限定せずに行われたものなのかを質問。県側は、さまざまな再生可能エネルギーについて検討したと説明し、この検討の中で、埼玉県では太陽光と木質バイオマスが有力だということがまとまったと述べました。
村岡委員は、現在埼玉県が力を入れている太陽光にとどまらず、さまざまなエネルギー資源の可能性の検討を続けるべきだと提言。また、「県内にも研究・開発に意欲的な県民やNPO、事業者はいる。11年度にこうした人への支援として行ったものはあるか」と重ねて質問しました。県側は、環境部の範囲では11年度に積極的な支援はしておらず、今後の課題だと答えました。
村岡委員は改善・検討事項として「太陽光発電とともに多様な自然エネルギーの利用促進を図るため、県民やNPO、事業者等への情報提供をはじめ研究・開発にチャレンジする意欲ある県民への支援を拡充すること」をあげました。
シカに下草を食べ尽くされ表土崩落する山 対応求める
野生鳥獣について県の報告書は、「イノシシ、ニホンジカについて…地域個体群の長期的かつ安定的な維持を図った」と述べています。村岡委員が適正な個体数についての目標値があるのか質問したところ、県側は具体的な頭数の目標値はないと答えました。
村岡委員は「県西部の山に入ると、シカが下草まですべて食べ尽くし、根も枯れてしまい、表土が林道に崩落している場所がずいぶんあるが、現状を把握し対策をとっているのか」と質問。また、市町村や県農林部・県土整備部との連携が必要だと指摘し、取り組みをただしました。県側は、ニホンジカによる農業被害が10.4ヘクタール1903万円、森林被害が21.1ヘクタール(いずれも11年度)にのぼることを報告。国でも行動範囲の広いニホンジカについては広域的な対応が必要だとして、関東近県による協議会を準備していることを明らかにしました。
県土整備部
県土整備部関係で村岡委員は、調節池の整備をとりあげました。整備状況について県側は、計画されている68調節池のうち完成したものが30、一部完成して供用開始しているものが9あると説明しました。
都市部の貴重な緑地空間 調節池の活用についてただす
村岡議員は、河川改修が進んだことで調節池に水が流れ込む状態がここ10年ほどなくなっている場所もあると述べたうえで、「特に都市部では調節池が貴重な緑地空間であることから、地域住民がスポーツや散歩など様々に楽しむ空間となっているのが現状だ。水害対策とあわせて環境面との両立を考えるときに来ている」と指摘。調節池が住民によって多様な使われ方をしている現実に、県として地元自治体との協議などはしてきたのか質問しました。
県側は、調節池が都市部の貴重な緑地空間となっていることを認め、22カ所で地元自治体が公園やグラウンドとして活用していることを紹介。「地元の意向を踏まえて対応していく」と答えました。
村岡委員は改善・検討事項として「都市部における調節池は貴重な緑地空間となっており、地域住民によって多様な使われ方がなされていることから、関係自治体との調整や県民によるサポート制度の検討などに、県としてイニシアチブをとって推進すること」を求めました。
▲ページトップへ戻る