県議会9月定例会を振り返って 団長談話
埼玉県議会9月定例会を終わって
2012年10月15日 日本共産党埼玉県議団 団長 柳下礼子
一、9月定例会は平成24年度埼玉県一般会計補正予算、埼玉県平和資料館条例の一部改正条例、奥武蔵あじさい条例の廃止をする条例など10件の知事提出議案と中小企業振興条例などの議員提出議案を可決して、10月15日終了した。
一、柳下礼子県議は10月1日に本会議における一般質問を行った。独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院やさいたま赤十字病院の小児科医の退職をとりあげて本格的な医師確保対策を求めた。柳下県議は人口あたりの医師数が全国最低であることが、周産期や小児科などの危機的状況を生んでいるとして国に対して医学部新設要望をあげるよう求めたが、上田知事は「埼玉の医師の総数は全国8位。またこの間の増加率は全国3位」などと、人口当たりの医師数を直視しようとせず、国への要望を拒否した。県立小児医療センターの移転問題について、岩槻区や蓮田市の地権者の思いも紹介し、「どんな医療機関も地域の中で成長発展する」として地域医療を守る立場から移転を撤回するよう求めた柳下県議に対して、知事は「県立小児医療センターは県内全域を対象に3次医療を提供する医療機関です」として移転を撤回する考えはないと答えた。一方質問の同日、さいたま市議会では「岩槻区自治会連合会はじめ患者家族等の意向を踏まえ、埼玉県その他の関係機関に対して 誠実な対応を要請していくことを市長において行うよう求める」決議が全会一致で行われた。
一、党県議団は知事提出議案の第91号議案「平成24年度埼玉県一般会計補正予算」について、環境保全推進費や農業関連予算、警察関連予算に反対するものではないが、ハローワーク特区推進費について、この事業はまず特区を皮切りに、ハローワークの地方移管後、さらに民間委託へと進む狙いがあるとして反対した。また第93号議案「埼玉県平和資料館条例の一部改正条例」は同館に指定管理者制度を導入できるようにするものであり、「県民に戦争の悲惨さ及び平和の尊さを伝えることにより、県民の平和に対する意識の高揚を図り、もって平和な社会の発展に寄与する」という同館の公益的な目的の実現のためには県が責任を持つべきだという立場から反対した。また、第94号議案「奥武蔵あじさい館条例を廃止する条例」は、高齢者・障害者・母子家庭のための福祉施設であって、公的に運営すべきであり、地元飯能市民の継続雇用も担保されておらず、地元の納得を得られていないとして反対した。第98号議案「埼玉県建築基準法施行条例の一部を改正する条例」について、子供の安全を考慮するなら、小中学校の校舎はより低層で建築すべきであり、まして避難の困難な障害児の特別支援学校を4階以上の高層階に設置することに道を開くとして同議案に反対した。
一、埼玉県中小企業振興基本条例の一部を改正する条例が自民党によって提出された。党県議団は一貫して条例制定を主張し、積極的な努力をしており、今回中小企業を取り巻く環境の変化等に対応して、より効果的な中小企業振興を図るとした条例の改正は、時機にかなったものとして賛成した。
県産ブランド米「彩のかがやき」の高温障害が広がっている。県は環境農林委員会の場で10月5日現在で「彩のかがやき」の約半数が規格外とされていると報告した。柳下礼子県議は同委員会で農林振興センターの農業普及員の体制強化も求め、この問題の個別対策を急ぐよう求めた。
一、地方自治法の改正に伴う関係条例の改正が求められている。これまで県政調査費について「調査・研究」に交付の目的をしぼってきたものを「その他の活動」まで拡大可能とする法改正には国民の批判が集中している。党県議団は、条例改正にあたっては、議会の全ての議員に直接かかわる重要な事項であり、県民の関心が高い問題については、一部の会派の参加による私的な研究会ではなく、特別委員会や全会派参加の研究会で、民主的かつ慎重な審議を行うよう9月24日県議会議長に強く申し入れた。
一、10月5日「渋谷実議員に対する懲罰の動議」が民主党より提出された。前日に同議員が行った一般質問の内容は、同議員の秘書がかかわる特定の法人についての私憤を質問の主題としており、「われわれは県民の代表として県民全体の利益の実現を目指して行動することを本旨と」する県議会議員政治倫理綱領に反しており、議会の品位を汚すものである。したがって定例会最終日同動議について、党県議団は賛成したが、自民、公明らによって否決された。
以上
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