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県政トピックス

平和資料館に指定管理者制度導入へ 県が9月定例県議会に条例改定案提出
 9月24日に始まった埼玉県議会9月定例会に、埼玉県平和資料館(東松山市)に指定管理者制度を導入できるようにするための条例改定案が知事から提出されました。

 指定管理者制度は、公の施設を民間企業やNPOといった法人などに運営を任せる制度。営利企業に公的施設の管理運営を任せられるようにするものです。

指定管理者は施設の維持管理など 資料収集・整理や研究、展示は県直営で
 条例改定案は、平和資料館の業務のうち資料の保存、施設(建物、設備、物品)の維持管理などを指定管理者に行わせることができるようにします。

 県の説明では、資料収集や整理、資料の調査研究や展示利用については従来通り県が直接実施することになる一方、宣伝活動などは指定管理者がやることになります。入館料は指定管理者の収入となり、現在と同額(一般100円、大学生・高校生50円)を上限に指定管理者が設定します。

 すべての業務を指定管理者に任せない理由として、県民から県に寄託された3万点もの資料を指定管理者に丸ごとゆだねるのは難しいこと、平和教育の施設として位置づけていることなどをあげています。

2013年4月実施、短期間で実施へ 運営協議会のあり方は「見直し」
 改定条例の実施は開館20周年となる2013年4月から。新たに指定管理者制度を導入する手続きとしては、通常よりも短い期間です。
 学識経験者や学校関係者、地元市や遺族会、平和運動団体などで構成する平和資料館運営協議会については、指定管理者導入後のあり方について検討中だと説明。形態変更や廃止の可能性が出ています。

条例改定案の撤回、平和資料館の充実を 県民から要望書や請願出される
 9月20日には、「平和のための埼玉の戦争展」実行委員会から、平和資料館に指定管理者制度を導入するための条例改定案の撤回と、平和資料館の充実を求める要望書が県議会各会派に提出されました。

 要望書は、平和資料館のような学習・教育施設には指定管理者制度はなじまないと指摘。日本をめぐる国際環境が複雑かつ厳しいものとなっている今こそ平和資料館の果たすべき役割は大きいとして、今後とも県直営で運営されるよう求めています。

 開会日の9月24日には、「埼玉県平和資料館を考える会」から指定管理者制度導入のための条例改定を採択しないよう求める請願が県議会に提出されました。日本共産党と社民党が紹介議員になりました。

 請願は、民間が運営に携わることによるマイナスを指摘するとともに、関係者に事前に知らされることなく条例改定案が提出されたことを問題視。これまでの運営方式を変える理由が見いだせないと述べています。

全国的にも珍しい県立の平和資料館 県議会の傍聴を
 埼玉県平和資料館は県民運動によって1993年に開館しました。県立の平和資料館は全国的にも珍しく、高い評価を受けています。

 条例改定案は10月9日(火)の総務県民生活常任委員会、9月県議会最終日の同15日(月)に本会議で審議される予定です。みなさんの傍聴をお願いします。

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