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県政トピックス

県立小児医療センターの移転を考えるシンポジウムー会場あふれる参加者
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勇気とパワーをもらいました!最後までがんばります!!
9月9日伊奈町にある県民活動総合センターで、県立小児医療センターの存続を求める家族の会主催の「こども医療シンポジウム」が開かれました。200人の会場に274人があふれ、椅子も資料も足りなくなる盛況ぶり。多彩なパネラーと呼びかけ人のみなさんの発言、会場からの発言によって、移転問題がその背景まで掘り下げられると同時に、運動の広がりを予感させるシンポジウムとなりました。
「くじけそうになるときもあるけど、今日勇気とパワーをもらいました」「最後までがんばります」との患者のおかあさんたちの発言に、会場は割れるような拍手と熱気に包まれました。


子供医療シンポジウム
9月9日(日)午後1時30から4時
県民活動総合センターセミナーホール2
主催県立小児医療センターの存続を求める家族の会

呼びかけ人
浅子かおい氏(小児科医)
川岸恵子氏(NPO法人あかり代表)
田中岑夫氏(岩槻区自治会連合会長)
成田例弘氏(蓮田医師会長)
福島聖二氏(幼稚園長 )
本田宏氏(済生会栗橋病院院長補佐

痰の吸引で、40分の通院の間も何度も停車する。新都心の渋滞が怖い

埼玉自治体問題研究所の渡辺繁博氏のコーディネートで行われたシンポは、はじめに重度患者の母親である山口美紀さんの発言からはじまりました。「1歳8ヶ月の娘は低酸素状態で県立小児に搬送され広範囲に脳損傷があり、胃ろう、痰吸引がかかせない。月2,3回は定期的に通院し、そのほかに肺炎や痙攣で昼夜関係なくセンターに行く。センターまで40分だが、途中で何度も痰の吸引のために、コンビニやスタンドで停車しながら行かざるを得ない。新都心は渋滞が不安。途中にコンビニもスタンドもない。県は患者の状況をわかってくれない。不便だから移転に反対しているのではなく、娘の命を守るにはあそこにセンターがなければならない」と語りました。

重症心身障害者の施設の併設が必要

続く、38歳の子どもを持つ秋山宇代さんは「重度身体・知的の重複障害をもつ息子は難治性てんかんももっていてセンターに20歳まで通っていた。センターの前身の保健センターに息子が入院したときはセンターから通勤するなど柔軟に対応してもらった。現在息子は見沼福祉会の支援施設で全介助ながら楽しく暮らしている。センターには重症心身障害者のための施設併設が必要」と訴えました。

岩槻特支は存続し、新都心には特別支援学校新設を

また、埼玉県高等学校教職員組合書記次長の牧野浩先生は「2000年に県が県立寄居こども病院を廃止し、併設の寄居養護学校閉校を打ち出した。このとき保護者・教職員、関係者が一丸となってたたかう中、病院廃止後も4年間寄居養護を存続させ、在校生全員が卒業した。2月県議会で上田知事は『一部機能の存続検討』といい、私たちは全部の機能を残したいと考えている。岩槻特別支援学校は現在地に存続させ、新都心の病院には必要な教育機能を備えた学校を新設すべきだ」と語りました。

センター移転問題の根底に、深刻な勤務医不足

埼玉協同病院院長の増田剛氏は「県内どこにでも拠点病院があり医師も看護師も充足しているなら、移転も可能かもしれないが、県立小児は東部や中央部、北部の唯一の拠点病院。かつて熊谷の病院にいたが深刻な患者を熊谷から搬送できる病院は県立小児しかあり得なかった。

埼玉県全体が医師不足。
10万人あたりの医師数は全国219人に対して埼玉は142人しかいない。小児の専門医数も産科の専門医数も全国から大きく立ち遅れている。特に深刻なのは病院勤務医。その結果、熊谷総合・さいたま赤十字・西埼玉中央病院など次々周産期が継続困難になったり、救急搬送に要する時間も年々増加している。救急隊が30もの病院に断わられたケースもある。病院勤務医師は月に休暇なしが1割近くおり、常に過密緊張状態にある。なにかきっかけがあると、退職につながってしまう。

この数年来医師確保のための署名を全国的に取り組んできた。
その結果医学部定員が全国で1400人増となった。しかし、この医師たちが現場に来るのはまだ先のこと。県知事は医師確保に真剣になってほしい。東北地方など県をあげて研修医獲得に乗り出している。」
など発言しました。

呼びかけ人である小児科医師の浅子かおいさん、NPO法人あかり代表の川岸恵子さん、学校法人ヨハネ学園理事長福島聖二さん、蓮田医師会長成田例弘さん、岩槻区自治会連合会長田中岑夫さん、済生会栗橋病院院長補佐の本田宏さんからもご挨拶をいただきました。

県議の参加は共産党の二人だけ

来賓としてあいさつにたった柳下礼子県議は、深刻な医師不足を知事に認めさせ、県議会が全会一致している県立大学医学部の設置を実現しようと発言。村岡県議も存続のために全力を尽くそうと呼びかけました。センターの近隣自治体選出の県議会議員には全員に案内をしたにもかかわらず、来賓として出席したのは日本共産党の二人だけでした。

医療機関建設用地として極めて良好な環境条件を具備

その後フロアからの「NICUが東部や中央から1床もなくなったら、どういうことが起きるのか」「どうやって医師を増やすのか」など質疑応答のあと、岩槻自治会連合会の鈴木さんは「4万1904筆の請願署名を県議会に提出したが、常任委員会で『趣旨採択』というものにされた。なぜ新都心に行かなければならないのか今もわからない」と話し、県立小児医療センターの建設時の記録「センター建設の概要」を読み上げました。

「『既成市街地に比較してきわめて静寂、清浄な環境にある。・・・将来にわたって工場等の進出は考えられず医療機関建設用地として極めて好ましい環境条件を具備している。農地であるため補償物は僅少であり十分な面積を確保できる状況にある。・・・』
畑知事がつくってくれたセンターを上田知事が真逆の立場で壊そうとしている」


日本共産党埼玉県委員会の伊藤岳氏は「さいたま新都心駅はコンサート開催時には混雑で電車から降りることができない。新都心は病院にふさわしくない。小児科医数が全国下から2位。新生児の専門医が10人しかいない。センター移転ではなく医師の確保が急務だ」などと発言しました。

患者家族にぜひ支援を
最後に患者家族会から
「家族は、介護におわれてなかなか動けない。ぜひ支援をお願いしたい。センター存続を求める署名はHPにアップしているのでダウンロードして広げてほしい。書き込みもできるので、支援が可能な人は書き込んでほしい」など今後の活動の提案がありました。


左から村岡・柳下両県議 中央に済生会栗橋病院の本田院長補佐
左から村岡・柳下両県議 中央に済生会栗橋病院の本田院長補佐

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