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県政トピックス

自衛隊主導の防災訓練は中止を 防衛省に要請
防衛省の担当者に中止を求める参加者
防衛省の担当者に中止を求める参加者









 日本共産党の塩川鉄也衆議院議員と柳下礼子、村岡正嗣の両県議は7月13日、国会内で防衛省に対し、自衛隊の「統合防災演習」の中止を要請しました。さいたま、朝霞、和光の各市議団が同席しました。

統合防災演習の概要

1 指揮所演習(図上訓練)
・7月16日(月)〜20日(金)
・首都直下地震を想定し、「自衛隊首都直下地震対処計画」見直し案(自衛隊統合幕僚監部作成)の検証などを目的に実施。
・自衛隊トップの統合幕僚長を統裁官とし、約5000人が参加。参加機関は陸海空3自衛隊はじめ在日米軍、国の省庁、埼玉県など4都県、さいたま市など4政令指定都市。
・会場は朝霞駐屯地(朝霞市など)ほか。

2 実動訓練(埼玉県内=陸上自衛隊第32普通科連隊について)
・7月16日(月)〜20日(金)
・災害派遣の訓練として、第32普通科連隊所属の6個中隊を中隊単位で県内に展開
・マスコミに公開される訓練:16日(月)午前11時〜午後4時実施。大宮駐屯地(さいたま市)から上江橋(同)まで徒歩で行進し、そこから渡河ボートで荒川を下る。志木市の秋ヶ瀬で上陸し、朝霞駐屯地まで一般道の歩道を行進。行進しながら情報収集(偵察)行動も実施。 

事前説明ない防災訓練ありえない 自治体からの要請もない訓練は中止を
 村岡県議は、7月6日に行われた関係自治体への説明会の際に配布された資料の提供を埼玉県に求めたところ、自衛隊の許可がおりなかったことを紹介し、「防災訓練の内容が事前に県民に示されないなど、ありえない話だ」と自衛隊の対応を批判しました。

 防衛省の担当者は「資料を出さないということはない。こちらで資料を集めて出したい」と答えました。

 柳下県議は「50人もの迷彩服の自衛官が繁華街を行進したら、住民は大きな不安を感じる。災害訓練は自治体主導で行うものであり、自治体の要請もない訓練は今からでも中止してほしい」と求めました。

 参加した市議団からは、あえて繁華街を徒歩で行進する必要性について質問があり、防衛省側は「集客施設の被害状況を確認しながら行動するもので、偵察活動の演習だ」と説明。一部地域においては、小グループの自衛官が商業施設などの中に進入する可能性があることを明らかにしました。


埼玉県にも説明を求める
 柳下、村岡両県議は続いて、埼玉県庁内で県危機管理課の担当者に対し、訓練の概要や県の対応について説明を求めました。

マスコミ公開以外の実動訓練 県は「把握していない」
 担当者は、指揮所演習には県から連日3〜4人が参加し、県と自衛隊との調整が必要となるところで意見交換などをすると説明。「この機会に、自衛隊の災害対応の能力を把握したい」と述べました。

 県内での実動訓練について担当者は、マスコミに公開されるもの以外については詳細を知らないと答えたうえ、今回の訓練は「通常の訓練の範囲」だとの見方を示しました。また、今回の演習では県有施設・土地の使用はなく、県内市町村の施設や土地については自衛隊が各市町村と直接連絡を取っており、県として状況を把握はしていないと述べました。

自治体との連携強化はかられていない 防災訓練は住民への事前説明が当たり前
 村岡県議は、自衛隊みずから東日本大震災の教訓として「地方自治体等との連携強化が重要な課題」だとしているのに、今回の訓練は自治体との連携強化をめざしたものとなっていないと強調。「今回の演習は計画も実行も自衛隊単独だ。防災対策は自治体が主体となり、自衛隊は補完的役割を担うのが本来のあり方。防災訓練は自衛隊単独で実施する性質のものではない」と指摘しました。

 村岡県議はまた、自治体主催の訓練であれば、訓練内容や参加機関(消防署・団、警察、自衛隊など)が事前に住民はじめ関係者に知らされるのが当たり前だと述べたうえで、「防災訓練であるならば、住民にあらかじめ十分説明するのが当然のことだ」と、今回の訓練のあり方に疑問を示しました。

県として情報収集・提供を
 その上で村岡県議は、「通常の訓練の範囲」だとして県内各地の実動訓練の状況について積極的に情報を集めて県民に公表しようとしていない県の態度を批判。もっと情報を集め、県民に提供するよう求めました。

 柳下県議は、「住民が知らないところで訓練を実施すれば、問い合わせや苦情の電話が地元市町村だけでなく、県や警察にも多数寄せられる」と述べ、住民への情報提供の必要性を強調しました。

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