5月15日午前9時、党県議団と埼玉自治体問題研究所は住田町役場を訪問しました。
住田町は・・・
人口6327人 面積334キロ平米
農業は養豚・ブロイラーが盛んです。
林業 町の90%が森林です。豊富な杉林を生かした木材加工を行っています。
町単独で木造仮設住宅を建設を決断
はじめに住田町多田欣一町長のご挨拶をいただきました。
多田町長は、町の職員として長期に行政に係わってきた経験を語った上で、森林業日本一を目指し、万一の時のための木造仮設住宅を国に提案してきたことから、大震災が起きたとき同じ気仙地方の町のためにいち早く町独自で木造仮設住宅を建設を決断した経緯を語って下さいました。
仮設住宅は県が建設する物とされており、当初は補助の対象にもならないと言われたが、隣の町の人が家が流され困っているときに、知らん顔はできないと町独自で3億円の予算を計上し、議会も理解してくれた。
すでに7割方つくっていた木造仮設住宅の図面を、気仙地方の職人さんたちの力も借りて合計93戸建設した。国からも大変ほめられ、補助も対象となったが、坂本龍一氏の協力で寄附が集まり、補助を受けずにすんだ。
このような趣旨でした。
その後産業振興課の水野課長補佐と建設課菅野課長補佐から住田町の「森林・林業日本一の町作り」「住田町の仮設住宅」についてご説明をいただき、その後町を案内していただきました。
川上から川下までの林業
住田の林業は「川上から川下まで」と言われ、植林し伐採するところから家供給までを住田で行っています。
住田住宅産業株式会社(第3セクター)は昭和57年設立です。そのほかプレカット工場や集成材工場の設置、ラミナ製材工場の設置など林野庁と県の補助を受けて第3セクターや協同組合方式で行っています。
これらの取り組みによって250人近くの雇用が実現しています。
住田住宅産業株式会社では佐々木一彦社長が出迎えてくれましたが(写真)埼玉県にも取引があるそうです。
住田町営住宅の美しい町並み
住田町は町営住宅も木造です。この住宅には定住促進住宅の役割もあり、家族向けの2階建てもあります。町では家は木造が当たり前で、鉄筋コンクリートが異質だと建設課の菅野さんの説明でした。木造の上壁は美しい白壁です。新緑の山々に溶け込む美しい町並みでした。
「町並みの美しさが、やがて観光資源にもなりうる」と村岡県議の指摘に建設課の菅野さんも「今後そういう方向も検討したい」と語っていました。
このような木造住宅の歴史が木造の仮設住宅をいち早く建設する基盤となったのでした。
全国初の木造一戸建て仮設住宅
昨年1月に町長の発案で政府に対して仮設住宅の備蓄を提案。3月11日には7割方木造仮設の図面ができあがっていたそうです。
ライフラインが整っている場所に3月中に着工が始まりました。5月26日には93戸が完成。2,3日に1件建てた計算です。
建設費は建物が270万円周辺整備も併せて370万円程度で、プレハブでは600万円と言われた建設費が大幅に安くなっています。構造材は全て杉でベニヤは使っていません。材料をプレカットし、気仙地方の職人の力を集めて建設したとのことです。
こうしてスピード感を持って作れたので、全国で2番目の仮設住宅となったそうです。
特徴
@木造なのでぬくもりがある。
A全て1戸建てなのでプライバシーが守られる。
B結露が発生しにくい。
C二酸化炭素の削減
Dリサイクルができる。将来チップにでき、再利用できる。
E木材の需要拡大
F気仙大工の力引き出す。
苦労した点
@着工したのに断熱材が入ってこなかった。
Aユニットバスが手に入らなかった。
B少々結露が出た。(プレハブよりはずっと少ない)
C風除室をあとからつけた。
仮設住宅には太陽熱温水器とペレットストーブが寄附されました。
写真は仮設住宅の隣の満蔵寺です。
仮設住宅を造った気仙大工の技術の集大成といわれる門です。
写真の左端が、党住田町議佐々木春一さん、右端が建設課の菅野さんです。
案内してくれた、佐々木さん、菅野さん、産業振興課の水野さんありがとうございました。
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