あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

県政トピックス

2月県議会閉会にあたってー柳下団長談話を発表
日本共産党埼玉県議団は、2月県議会閉会にあたって柳下礼子団長の談話を発表しました。以下その全文です。

平成24年度一般会計予算案に反対

一、今定例会には1兆6777億円余の平成24年度埼玉県一般会計予算案や平成23年度一般会計補正予算案など84件の知事提出議案が提出され、継続審査とされた男女共同参画基本計画など7議案をのぞく77件を可決・同意して閉会した。党議員団は平成24年度埼玉県一般会計予算などに対して、第一に県立小児医療センター移転に関連するさいたま新都心土地購入費が計上されていること。第二に知事部局や教育委員会事務局の職員定数を総計で87人削減していること。第三に職員給与の削減が行われてこと。第四に八ッ場ダム建設など、無駄な公共事業予算があることなどを主な理由として反対した。党県議団は上記議案とともに県民税の均等割の引き上げとなる県税条例の一部を改正する条例など計21議案に反対した。

「県立小児医療センター存続を」の声広がる

一、県立小児医療センターの移転について上田知事は123億円もの移転先の土地購入費予算等を計上した。一方センターの存続を求める運動の高まりの中で、上田知事は今定例会冒頭の提案説明の中で「機能の一部を何らかの形で現在地に残す検討もしてまいります」と表明せざるを得なかった。党県議団は予算特別委員会の場で、知事のこの発言について「患者は10以上の診療科にかかっており、一部機能の存続では生命の保障はできない。知事は患者の声を直接聞くべきだ」と追及した。これに対して知事は「何でも知事に会え、では、私は死んでしまいます」と答弁し、傍聴していた患者家族らの怒りをよんだ。また、予算特別委員会の総括質疑で患者の家族の手紙も示しながら、さいたま新都心は患者の療育環境としてきわめて不適であると追及した。「センター存続を求める患者家族の会」は議会中の3月15日に、あくまでセンターの存続を求めるとして38400筆もの署名を県に提出した。
党県議団はセンター移転によって、周辺の東部北地域や中央地域の周産期医療体制や小児医療体制に重大な空白を生むと指摘してきたが、本定例会開会中に春日部市議会、杉戸町議会などでセンターの現在地に存続を求める意見書が可決されたことは、周辺地域の不安の大きさを物語っている。

新都心は赤十字病院を母体に整備を 

党県議団は新都心の総合周産期母子医療センターはさいたま赤十字病院を母体として県の支援によって確立し、センターは現在地に存続すべきと考える。提案された新都心の土地購入費は自民・民主・公明・刷新の各会派の賛成で可決したが、党県議団は引き続きセンターの存続のために県民とともに全力を上げる決意である。

5か年計画に震災の教訓、原発ゼロの方向性を

一、閉会中審査が行われてきた埼玉県新5か年計画案は、特別委員会による修正の上で可決された。本計画は、3・11の大震災からちょうど1年という時期に策定されることからも、大震災の教訓に深く学び、安心・安全、福祉の町づくりへの強い決意を示すと同時に、その具体化を全分野に貫くべきであること、本県における放射能汚染の被害に鑑みれば、再生可能エネルギーの活用にとどまらず、今こそ原発ゼロの方向性を示すべきであることから、原案は極めて不十分であると党県議団は考え反対した。また、修正部分は小中学校各学年における全県一斉学力テストの実施を加えるものであり反対した。

朝鮮学校に学ぶ子供に責任はない

一、予算特別委員会の採決の際に埼玉朝鮮初中級学校に対する補助金を留保するよう求める附帯決議が自民・民主・刷新の会の会派の賛成多数で可決された。
本附帯決議案は、北朝鮮が日本人拉致事件について不誠実な態度をとり続けているなどとして、埼玉朝鮮初中級学校に対する運営費補助金交付を留保するよう求めたものであるが、わが党は、北朝鮮の日本人拉致事件については、世界の平和と人道に反する犯罪行為として厳しく糾弾するものだが、これらの問題について朝鮮学校で学ぶ子どもたちには何らの責任もなく、子どもたちに責任を負わせるようなことは認めることはできない。それは、教育の機会均等や民族・国籍などでの差別の排除という課題で、県議会の姿勢が根本から問われかねない問題であり、日本人拉致問題を重大な人権侵害として、国際世論に訴えている本県の立場をも危うくするものである。

「原発ゼロ」など多数の県民の願いこもった請願を不採択

一、今定例会には3677名の署名を添えた「公的年金切り下げ等に反対し、拡充する意見書提出を求める請願」や15773名の署名を添えた「原発ゼロ、再生可能な自然エネルギーへの転換と放射能汚染から子どもの命と未来を守る請願」など、多くの県民の要望を背景にした請願が提出されたにもかかわらず、いずれも不採択とされた。党県議団は採択を求めるべく本会議討論を要求したにもかかわらず、今定例会においても「討論するほどの問題ではない」として認められなかった。議会運営委員会による請願討論を制限する申し合わせについては引き続き撤回を求めていく。

がれき処理―政府は広域処理のあり方の真剣な検討を

一、今定例会の最終日には「東日本大震災で発生したがれきの受け入れに関する決議」が議会運営委員会各会派の共同提案により可決された。我が党は同決議案に、がれき受け入れの推進に際して「放射性物質の測定や除去など、万全の処理体制を整備するとともに、その安全性を丁寧に説明することにより、住民の不安を払拭していくことが不可欠である」と住民合意を前提とする文言が明記されていることから賛成をした。
しかし、がれきの広域処理については深く懸念する有識者の声もあり、政府は、放射性物質を封じ込め拡散させないという観点から、広域処理のあり方やがれきに含まれる放射能基準や対策を抜本的に検討すべきである。党県議団は東日本大震災と原発事故という未曽有の被災からの復興をすすめるために、政府がこの問題に本腰を入れて取り組むよう強く求めていく。


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