小水力発電のまち 山梨県都留市を視察
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都留市の「元気くん1号」。残念ながらこの時は水車は回っていませんでした。 |
日本共産党埼玉県議団は14日、山梨県都留市を訪れ、小水力発電など同市の環境問題への取り組みを視察しました。
都留市の取り組み
都留市内を流れる家中川(かちゅうがわ)は水量が豊かで、明治時代に水力発電所が設置されました。そのため、同地域は山梨県内で2番目に電灯のともった町となりました。発電所は戦後に廃止されたものの、市民の記憶には残っていたそうです。
早くから温暖化対策など環境問題に取り組んでいた都留市は市政50周年を迎えた平成16年度に、市民参加で水力発電所「元気くん1号」を市役所の敷地内に建設、平成18年4月から稼働しました。続いて「元気くん2号」が平成22年5月から動きはじめ、現在は「元気くん3号」を建設中です。
「元気くん」でつくった電気は市役所や都留市エコハウスなどの施設に供給しています。1号・2号がフル稼働した今年4月は市役所の電力の半分以上を、6月には80%近くをまかなえたとのことです。また、市役所での電力使用の少ない夜間や土日祝日には東京電力に売却(売電)しています。
小水力発電の良さと課題
小水力発電は24時間発電でき、設置後のメンテナンス経費は比較的安くすむ(発電機1基あたり15〜16万円)とのことです。
一方、設置費用はかなり多額(1号約4300万円、2号約6200万円)になります。また、電力会社への売電単価が、太陽光発電などと比べて大幅に安く設定されているため、売電による収入はあまり期待できないのが実態です。
小水力発電の意外な弱点は、水中のゴミだそうです。ゴミによって水車が動かなくなったり、故障の原因になったりするのだそうです。都留市の場合は、小水力発電の取り組みとあわせて家中川をきれいにする運動にも取り組んだそうです。小水力発電の取り組みを通じて、家中川が以前に比べてずいぶんきれいになったと担当者は話していました。
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「元気くん1号」の前で市の担当者の説明を聞く、やぎした礼子、村岡まさつぐ両県議。水車の大きさが分かるかと思います。 |
けっこう大きな水車 「元気くん1号」
市の担当者からの説明に続いて、市役所の敷地内にある「元気くん1号」を見学しました。工事の都合で動いていなかったものの、直径6メートルという水車は迫力満点でした。建設当時は日本国内に小水力発電の実績のある企業がなかったとのことで、「元気くん1号」はドイツ製です。
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「エコハウス」で担当者の説明を聞く、やぎした、村岡両県議。右下に見えるのは薪ストーブです。 |
環境負荷少なく快適な暮らしを モデルハウスを視察
続いて、市役所のすぐ近くにある「都留市エコハウス」を視察しました。これは環境負荷を少なくしつつ快適な暮らしができるような家を提案するモデルハウスです。県産材を多用したエコハウスは、なんとも居心地のよい空間でした。
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植物栽培施設を見学する両県議。窓の奥は「アイスプラント」という野菜が水耕栽培されています。 |
その隣にある、「元気くん」でつくった電気を使っている植物栽培設備の展示場も見学。さまざまな取り組みや可能性を学びました。
全体として、都留市の取り組みは「まちづくり」「まちおこし」の側面が強いものだと感じました。
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