埼玉県秩父市田村にある土砂堆積場で、県への届出を大幅に上回る量の土砂が積み上げられるなどの問題が起き、住民から不安の声があがっています。日本共産党埼玉県議団は９日、党秩父市議団とともに問題の土砂堆積場を調査しました。

届出の９倍もの土砂を積み上げ　県の措置命令受けても改善なし
　業者が県に提出した計画書によると、問題の堆積場は同社の所有する約４４００平方メートルの土地に、約５２００立方メートルの土砂を堆積することになっています。地域住民へは、持ち込んだ土を同所で改良し販売すると説明していました。業者は２００９年に県へ許可申請を出し、許可を受けました。事業期間は０９年２月から今年２月までの２年間です。
　ところが、実際に持ち込まれた土砂の総量は、届出の約９倍となる約４万５０００立方メートルにのぼります。積み上げた高さは最大９メートルで、届け出た高さ上限の２メートルをはるかに上回っています。土砂を入れると届け出た場所以外にも土砂が積まれ、地域住民が使っていた通路が積み上げられた土砂でさえぎられたところもあります。他人の土地に勝手に土砂を入れるトラブルも発生しています。

大雨降ったら崩れないか心配
　党県議団と秩父市議団は、管轄する県秩父環境管理事務所の説明を受けながら現地を確認しました。
　現場には大量の土砂が積み上げられ、一部は草が生えていました。雨水が流れてできた筋が表面に入っているところもありました。大量の雨が降ったら高く積み上げられた土砂が崩れ、周辺に被害が出ないか心配です。

悪質業者には厳しい対応を　党県議団求める
　秩父環境管理事務所は、堆積場の状態をさいしょの申請どおりに直すよう命じる措置命令を業者に出しました。対応期限は１０月下旬でしたが、違法状態のままです。
　村岡正嗣県議は、悪質な業者に対しては告発など厳正に対処すると県議会で担当部長が答弁していることを指摘。厳しく対応するよう管理事務所に求めました。管理事務所は、法的手段も検討していると答えました。

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