知事提出議案に村岡県議が反対討論
10月14日の9月定例会最終日の本会議で、村岡県議が知事提出の議案に対して反対討論を行いました。
反対した議案は、
第98号議案「平成23年度埼玉県公営競技事業特別会計補正予算」
101号議案「埼玉県税条例等の一部を改正する条例」
第103号議案「埼玉県都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例」
第106号議案「農業大学校の移転のための用地取得」
の議案の4本です。
反対理由は討論を参照下さい。
以下、討論全文です。
日本共産党の村岡正嗣です。
私は日本共産党県議団を代表して知事提出議案に反対の討論を行います。
はじめに第98号議案「平成23年度埼玉県公営競技事業特別会計補正予算」についてです。本議案は競輪開催業務を民間事業者に包括的に委託するため、当該期間中の委託料について24年度から28年度までの5年間の債務負担行為を設定するものです。党県議団は平成18年の包括的民間委託の債務負担行為設定の際に、地方公共団体はその財源確保を公営ギャンブルに依存すべきではなく、また、ギャンブルによる生活破綻が問題になっていることも指摘し、競輪事業からの撤退こそを検討すべきだと反対いたしました。その後今日まで問題の解決は図られず、競輪人口においては減少の一途にあり、この5年間の入場者では、延べ54万7千人から36万3千人へと激減しました。今こそ、真剣に公営ギャンブルからの撤退を検討すべき時です。よって、本議案には反対です。
続きまして101号議案「埼玉県税条例等の一部を改正する条例」についてです。本議案は地方税法等の一部改正に伴い個人県民税寄附金税額控除の適用下限を引き下げるとともに、東日本大震災における原子力発電所の事故に係る警戒区域内の自動車について代替自動車が取得された場合の自動車取得税の納税義務の免除等を定めるものですが、党県議団はこれらの措置を講ずることには賛成であります。しかし個人県民税の配当割り・株式等譲渡所得割の税率を本則5%とあるものを3%に軽減する措置を平成25年12月31日にまで2年間延長することは一部の大資産家優遇税制であり賛成できません。この措置により年間約25億2400万円の税収減が見込まれます。今必要なことは配当割り・株式譲渡所得割の税率を本来に戻して、県内被災者への支援策など県民の暮らしを守る財源として活用すべきと考えます。よって101号議案には反対です。
第103号議案「埼玉県都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例」は、市街化調整区域における市町村の土地利用に関する計画に即した産業系施設の立地を可能とする区域の指定について、この計画がもとづくべきものを市町村の「基本構想」から、地方自治法改定に伴い、いわゆる「市町村都市計画マスタープラン」に変更するものですが、我が党県議団は以下の理由から賛成できません。
そもそも今回の改定対象となっている同条例第6条1項1号は、市町村からの申出があれば、市街化調整区域でも指定した用途と地域に限って知事が開発行為を認めるという、市街化調整区域開発の規制緩和を内容としたものです。この条項によって、すでに工場や物流施設、郊外型大型ショッピングセンター建設など、市街化調整区域の乱開発を招き、貴重な農地や緑地を破壊するものとなっています。党県議団はこれまでも同条項を強く批判してきましたが、今回の改正は、こうした問題点を何ら改めるものではありません。よって、第103号議案には反対です。
続いて第106号議案についてです。本議案は現在鶴ヶ島市にある埼玉県農業大学校移転用地として熊谷市の総合教育センター江南支所、農林総合研究センターに隣接する面積7万6千平方メートル余の土地を約5億1千万円で取得するというものですが、以下の理由により賛成できません。
第1に、本県農業就業人口は20年間で半減、就業者の高齢化は年々進み、農業の担い手育成は喫緊の課題であり、そうした中で農業大学校がこれまで県内各地に新規就農者を生み出す役割を果たしていること。この点は党県議団としても高く評価し、さらに拡充を求めるものであり、本県農業の重要性に鑑みると、現所在地に定着し、交通至便な農業大学校を移転すべきではないこと。
第2に、圏央道沿線は県内でも有数な農業用地が広がっており、その環境保全には十分な注意が払われなければなりません。この点で地元に親しまれた樹齢60年を経た桜の木や湧水などかけがえのない農業大学校の環境を惜しむ声が大きく、移転と開発を中止してほしいという強い要望が寄せられていること。
第3に農業大学校跡地は産業団地としての利用が検討されておりますが、上下水道や周辺道路の整備などインフラ整備について地元市との調整の見通しも立っていないなど、具体的な計画が決まっていないこと。
以上により農業大学校の移転計画は撤回すべきと考え、本議案に反対するものです。
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