八ツ場ダム建設の問題点と危険性を再確認 建設予定地で現地調査
9月24日(土)、群馬県長野原町などの八ツ場ダム建設予定地の現地調査があり、日本共産党の村岡まさつぐ県議が参加しました。「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長の案内で、ダム建設地や住民の移転先である代替地などを訪れて実態や問題点を調べました。
土砂崩れ多発、JRの駅にも土砂流入
|
泥に埋まった吾妻線の線路。鉄道の運行は再開されていますが、泥はまだ完全には取り除かれておらず、いまだに敷石が見えないところもあります |
調査の出発地となったJR吾妻線の川原湯温泉駅。今年8月に駅近くで土砂崩れがあり、線路まで土砂が流れ込んだそうです。今も泥に埋もれて線路の敷石が見えない箇所が残っています。地質上の条件から、八ツ場ダム予定地とその周辺は土砂崩れや地すべりが起こりやすいとのことで、確かに山を見ると崩れたあとが見えます。
あちこち工事中 あちこちで崩れる現場
|
対岸から見た代替地 |
現場を回ると、各地で工事中でした。代替地の造成や地すべり対策、ダムに沈む道路や鉄道の付け替えなどが進められています。何度も現場を訪れているというある参加者は、「来るたびに風景が変わっている」と、美しかった風景の変わりようを嘆いていました。
現地は台風や豪雨のため、あちこちで斜面が崩れたとのことです。こんなにひんぱんに崩れるようでは、住民の安全は確保できるのでしょうか、不安です。安全対策に多額の費用が必要となることは当然予想されることで、どんどんお金を投入することになるのではないかという疑問も残ります。
遅れるJRの付け替え 本体工事まだまだ先
|
現場を見る参加者。左側の水色と黄色の看板は、ダム完成後の予定水位を表しています |
計画では、ダム本体はJR吾妻線を分断する形でつくられるため、吾妻線の付け替えが終わらなければ本体工事に入れません。ところが地権者の反対などもあり、この鉄道付け替えが進んでいません。仮に計画再開がすぐに決まっても、計画通りの期間で完成するとは考えにくい状態です。
工期の延長と安全対策によって、この先どんどんお金が必要になるのではないか。そんな疑問が浮かんできます。すでに国土交通省も工事費が増えると認めています。
専門家の立場でさまざま質問 村岡県議
一級建築士である村岡県議は、建設技術上の問題などさまざまな疑問を渡辺事務局長や同行した研究者らに質問。八ツ場ダムの問題点を再認識していました。
|
調査終了後、川原湯温泉駅に戻ってきたら、野生のカモシカがすぐ近くを歩いていました。親子だったようです。 |
▲ページトップへ戻る