南児童相談所を訪ねて
1年間で激増の虐待相談・・・その影に
南児童相談所の一時保護所を訪ねて
8月8日村岡県議は川口市にある南児童相談所を訪れました。
南児童相談所は今年3月にさいたま市からこの川口市に移転し、同時に一時保護所が設置されました。
埼玉県によると平成21年から22年の1年間の虐待相談が約3割増と急増しています。
県は増加の要因として近所からの通報が増えていることから虐待に対する意識の向上をあげています。また、「DV」を目撃することも虐待の一種としてカウントするようになったことが、警察からの通報が著しく増えている要因となっています。
しかし、虐待が依然深刻であることは言うまでもありません。
児童相談所は障害児の療育相談を受け、障害者手帳を発行する役割を持っています。かつてはこの療育相談が業務の半分以上を占めていました。現在は虐待相談が半数以上と入れ替わっています。
保護する児童は被虐待児童・発達障害児が増えて、個別対応が増えているそうです。
こうした子どもたちは人に対して攻撃的であったり、不信感が強かったり、音に対して敏感であったりします。
そのため、保護所も定員以上の子どもは基本的にうけ入れません。そこで、緊急保護しなければならない子どもは児童養護施設や里親に委託をするケースも多くあります。
保護所の職員は定員30名に対して20名が24時間交代で勤務しています。
特に平日の5時15分から翌朝8時半、休祝日は職員が男女1名づつになります。(夕食から就寝時間まではアルバイトが独り配置される)何か起こると、これでは対応できないので、職員が残業します。
応対してくださった南児童相談所の高倉所長は「子どもたちは2週間の保護所の生活で人間になる」と言われているとはなしていました。
おかしやコンビニの食事しか与えられてこなかった子どもたちに、手作りの食事を規則正しく提供し、当たり前の生活を保障することが大切だそうです。幼児の就寝後、中学生の子どもたちも、職員さんがとんとんと寝かしつけてあげているという涙が出るようなお話もありました。子どもたちは、保護所にきて、初めて「信頼できる大人」がこの世にいることを知るのだそうです。
埼玉県の保護所は平均滞在期間が47日。長い子どもで1年というケースもあるそうです。長期化の理由は受け入れ施設の不足だそうです。また、無理に親元に帰すような機械的な対応をしていないからだとも思われます。
虐待によって傷ついた子どもたちが、心を癒し、成長していくためにも、さらなる職員体制の強化や保護所の設置が必要だと感じました。
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