西川材の地元飯能市が木造仮設住宅の普及に尽力 県議団が視察
埼玉県産材の中でもここ飯能の西川材は有名です。
震災直後、この飯能市が、木造の応急仮設住宅を提案しました。
県議団として視察を計画していましたが、やっと実現しました。
「西川材は、枝打ちや間伐を丁寧に行い、丹精を込めて育てているため、材の色、つやがよく、年輪が緻密で節が少ない良質の材が生産されています。平成21年3月には、西川広域森林組合により西川材として商標登録されました。」飯能市作成パンフ
飯能市は市の多くの部分が森林であるという条件から林業の振興に全力を挙げています。今回訪れた市役所の備品の多くが西川材でつくられ、受付横には木質ペレットのストーブが展示されています。木のぬくもりにあふれた市役所です
ニュージーランド地震をきっかけに木造仮設を準備
この飯能市は、かねてから西川材という材木の産地で江戸や東京の火災の時には真っ先に材木を提供してきた歴史があります。こういうことから、飯能市ではニュージーランドの地震をきっかけに平成22年度から市長の指示で木造仮設住宅の準備を進めて来ました。
その矢先にまさかの東日本大震災が起こりました。
早速、寒冷地仕様の木造仮設住宅を国の基準通りに設計し、県を通じて仮設住宅として使用したいと相談をしましたが、このたびの震災では、プレハブ建築協会が有事の際の協定を自治体と結んでいるため、実現しませんでした。
市役所の隣に住宅展示
市役所の駐車場にこの仮設住宅が展示されています。
この仮設住宅は面積29.7平米、断熱しよう、トイレ、風呂、流し台等を設けます
全体が木のぬくもりにあふれていて、落ち着きます。とても頑丈に丁寧につくっているという印象で、対応して下さった農林課長の町田さんによると「二年間過ぎても十分使えますよ」とのこと。
価格は当初500万円ということでしたが、建築物238万円、水道などライフラインの整備も含めて460万円以下で設置できるそうです。もし、団地としてまとまって整備するならもっと安くなるというお話でした。
木造仮設のよさは
その町田さんによると、木造仮設住宅のよさは
@材料となる木材は、各地にストックされており、各地域で容易に調達できる。
Aプレカットにより大量生産が可能である。
B再利用が可能であり資源としても再生可能な資源である。
C環境に優しく、人間にとって安らげる素材である。
D建築資材として断熱効果、調湿効果が高い。
E本来建築材として活用されてきた物である。
F運搬や加工が容易で、建設地の状況に合わせて、現地で寸法あわせができる。
G長期間の使用に十分耐えられる。
H地域の林業振興、各業界の振興、雇用の促進につながる。
I木材利用が森林環境の整備に直結する。
強調されました。
中にはいってみるとなるほど、床も壁もほっとぬくもりを感じます。
ペレットストーブもおいてありました。
木目や節が美しい。
現在は協定も結ばれ、活用できる環境が現在は「災害時における応急仮設木造住宅の建設に関する協定書」が埼玉県と「埼玉県住まいづくり協議会」と「一般社団法人全国木造建設事業協会」との間に結ばれています。
今後飯能市としては平面・立体、使用者などを全国どこへでも提供する方針だそうです。
今回の震災ではプレハブの仮設住宅が建設に500万円以上かかり、資材の不足など建設が遅れました。住田町の視察でも書きましたが、住田町は3月には仮設建設に着手し、5月には90戸が完成していました。
現地の力で建設できる木造仮設が緊急時に確実に利用できるよう、県議団としても努力していきます。
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