狭山茶の放射性セシウム検出に関する申し入れ
県の信頼回復するためにも、広範で精度の高い調査を
党県議団が緊急申し入れ
厚生労働省の抜き打ち検査で鶴ヶ島市と日高市、川越市などの業者が市販した製茶から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題で、党県議団が9月8日に緊急申し入れを県に対して行いました。
県はこれまでに県産茶のサンプル調査を行い、すべて暫定基準値以下であると公表してきました。申し入れの中で県議団は、このたびの事態は消費者や生産者の県行政への信頼を大きく揺るがしかねない問題だと指摘。
柳下県議は、「地元所沢では生産者が心配している。みな県の調査を受けて、『狭山茶は大丈夫です』という紙を添付して販売している。若芽の早積み茶もきちんと調査してほしい。」
村岡県議は「お茶に限らず、県がやった他の食品の検査も疑われてしまう。検査を徹底してほしい」などそれぞれ発言しました。
応対した広畑義久副知事は
「一番悪いのは原発。サンプル調査の限界を感じている。精度を上げて検査する。」としつつ
「わかめの早積み茶はもう流通している。」として検査は不可能だと答えました。
申し入れ全文
埼玉県知事
上田 清司 様
2011年9月8日
日本共産党埼玉県議会議員団
団 長 柳下 礼子
狭山茶の放射性セシウム検出に関する申し入れ
厚生労働省の抜き打ち検査で、鶴ヶ島と日高市の2業者が市販した製茶から、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。その後、川越市、入間市の2業者が販売した製茶からも暫定規制値を超えるセシウムが検出され、県産茶の汚染が一部地域に限定されたものでないことが明らかとなった。
県は、6月に一番茶・二番茶の生茶、あら茶、製茶をサンプル調査し、すべて暫定規制値以下であると公表してきた。このたびの事態は、こうした県の調査結果をもとに県産茶を飲用してきた消費者にとって、県行政への信頼を大きく揺るがしかねない問題である。
報道によれば、県はセシウムが特にたまりやすい若芽の早摘み茶の性質を把握していながら、検査の対象にしてこなかったとも指摘されている。
県民の信頼を回復するためには、迅速にこれまでの調査のあり方について検討を加えて問題点を解明するとともに、より広範な生産地を対象に精度の高い調査を改めて実施し、暫定規制値を超えるものについては、出荷規制や商品の回収などの対策を講じることが求められている。同時に、茶生産農家や茶商の救済にも万全の対策を講じ、補償措置が講じられるよう最大限努力すべきである。また、今回の事態が本県農業全体に与える影響も軽視できず、必要な対策が求められている。
よって、今回の事態を受けて本県として以下の対策を緊急に実施するよう強く要望する。
一、これまで県が行った茶葉や製茶等の放射能測定調査の問題点を明らかにし、改めて広範囲の産地を対象にきめ細やかで精度の高い調査を行うこと。また若芽の早積み茶やインターネット販売等による少量生産品なども視野に入れて多様な商品を調査の対象とすること。
一、早急に産茶の汚染状況の全容を解明し、その結果によっては大規模な出荷規制や製品の回収を行うこと。
一、風評被害の防止に努めるとともに、出荷規制や回収による損害については、東京電力に賠償を求めること。また、当面の資金について県が立て替えるなどの措置を講ずること。
一、お茶以外の農畜産物についても検査体制を強化し、食の安全を確保すること。
一、お茶を含む農畜産物の安全性を確保するため、農林部の体制を抜本的に強化すること。
一、荒茶や製茶に関する暫定規制値について科学的な検証を早急に行い、見直しをはかるよう国に求めること。
以上
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