『翔んで埼玉』、異例の大ヒットの理由は「埼玉県」だから?

2019年2月22日から全国公開された映画『翔んで埼玉』は、「日本ではコメディはヒットしづらい」という定説を超えて大ヒットしています。
初週の週末興行ランキングでは1位を獲得し、公開2週目でも1週目を上回る観客動員を記録する異例の事態に。3月4日までに興行収入は10億円を突破したそうです。

『翔んで埼玉』では、埼玉県人が東京都民から迫害を受けており、埼玉県人が東京都内に入るのには通行手形が必要であるというかなり特殊な世界です。都内の超名門校では、埼玉県だけでなく、東京都内でも住んでいる地域によって「都会指数」を数値化しクラス分けがなされ、埼玉県人は校舎に入れずまともに授業も受けられないというひどい状態が当たり前となっていました。そんな中突然やってきたアメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(GACKT)と、生徒会長を務める東京都知事の息子、壇ノ浦百美(二階堂ふみ)との出会いから、二人を中心に物語が描かれていきます。

コメディ映画としてのクオリティがとても高く、あまり差別文化をよしとしない日本ではこのような作品がヒットするのは本当に珍しいです。「埼玉差別」がネタとして受け入れられたのは、埼玉県民の地元に対しての自虐的な意識と寛容さにあると分析されています。
また作品内では、埼玉県民だけが理解できるような小ネタ、県内の他の地域との対立や千葉県とのライバル意識、秘境としての群馬など、的を外さない地方ネタが多く、上映されている映画館の地域によって笑いが起こる場所が違うなど、口コミや話題性が尾を引いて長期ヒットにつながったといえるでしょう。

DVDも発売されましたが、埼玉県内ではMOVIXさいたまでまだ上映が行われています。また、東武東上線でのスタンプラリーや各地での展示イベントも開催されていますのでぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

ヒットの理由について、詳しい記事はこちらからご覧いただけます。