教育現場の不安定雇用「臨時的任用教員」とは

埼玉県内の学校では、正規採用されていない臨時的任用教師が他県に比べて多く、全体の1~2割を占めているといわれています。
「臨時的任用教師」とは、県内の県立学校及び市町村立学校(さいたま市を除く)における欠員補充や、育児休業や病気などの休職で勤務することができない教職員の代替として採用されている教師のことです。その数は埼玉県内で毎年およそ4,000人ほどいます。

教員免許を取得してから教員経験がない方や、ブランクのある方でも応募がしやすい反面、任期は1年以内に限られ、正規採用で優先されるわけではないそうです。実際には任期がきまっているために、1年で退職した後1日だけ無職扱いとして、また翌日から再度新規雇用されている人も多くいるようで、15年、20年とこうした採用形態で教員を続けている人もいるんだとか。しかし、臨時的任用教員は収入や待遇の面で正規採用の教員と格差も大きく、本来なら緊急性のある場合に雇用する臨時的任用教員を都合良く使っていることを問題視する声も多くあがっています。

保護者や学校の生徒たちも先生がころころ変わってしまい、担任などでよく見ていてくれた先生がすぐいなくなってしまうのは不安になる、といった声もあるでしょう。障害をもつ生徒の場合は特に、理解のある先生が毎年変わってしまうというのは保護者にとっても心配ですよね・・・。

県内では、少子化に伴う財政の悪化で非正規雇用の割合が増えているといわれていますが、保護者や生徒からすれば採用形態が違っていても先生はみんな一緒です。待遇の格差がなくなり、教員がなるべく同じ学校で落ち着いて勤務することが求められます。