なかなか知られていない、高次脳機能障害

みなさんは「高次脳機能障害」を知っていますか?

高次脳機能障害とは、事故や病気により脳に損傷をうけると、記憶力や注意力の低下などの症状により、日常生活や社会生活に支障が出てくる障害です。
症状としては、昔のことは覚えているのについさっきのことを忘れてしまう、情緒不安定になる、自分で予定を立てて行動ができない、など、認知症に似たものがとても多いです。
高次脳機能障害は2001年度から国が本格的に研究に取り組み始めている、比較的新しい定義をもった障害のため、医師や行政担当者の認知度も低く、診断、リハビリテーション、社会復帰支援などのシステムが確立していません。
しかし、高次脳機能障害の症状は社会復帰、職場復帰が難しいようなものも多く、全国に約27万人もいるといわれている高次脳機能障害をもつ人たちへのサポートは急務といえます。

すでに全国各地で、本人や家族をサポートするための組織による地域相談会やカウンセリング事業が行われており、少しずつですが支援体制の輪が広がりつつあります。
どこから何を相談していいかわからない場合は、まずかかりつけ医、リハビリ訓練士、ソーシャルワーカーなどに聞いてみるのがいいでしょう。

見た目からは症状がわからないため、「見えない障害」とも言われる高次脳機能障害。
一般市民のみなさんにもこんな障害があるんだと理解を深めてもらうことが、当事者たちが過ごしやすい社会を作る近道といえます。

また、埼玉県議団による高次脳機能障害の家族会との懇談の様子がこちらで紹介されておりますので、よろしければぜひご覧ください。