人口減少・水余り時代。大型ダムは本当に必要でしょうか?

無駄な大型公共事業は無くなった?
2009年総選挙で政権交代した際、民主党のマニュフェストには、時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直すものとして、「八ッ場ダム」の中止の文言が明記されていました。
鳩山政権で一旦は建設中止とされましたが、ダム建設に伴う周辺工事は継続され、結局、建設の必要性ありと判断されてダム本体の建設の再開が決定されました。民主党の迷走ぶりを象徴するような出来事でしたが、その後もダムけんせつが進められ、安倍自公政権のもとでも34個のダムが建設中です。2017年度予算では、前述の八ッ場ダムに346億円の予算を計上し、現在 、ダム本体のコンクリート打設を進めています。

埼玉県も無関係ではないダム建設
莫大な予算と時間を必要とするダム計画に、埼玉県も積極的に関わっています。
洪水調節と、流水の正常な機能の維持、栃木県・埼玉県・北千葉広域の水道用水供給を目的に、栃木県中央部を流れる思川に南摩ダムを建設する思川開発事業が計画されています。
2015年には国交省で検証が開始され、2016年にはすでに事業継続の方針を決定されています。

思川開発事業の総事業費は1,850億円 すでに852億円が支出されています。埼玉県の場合、2016年度以降の負担額は155億円で(うち2分の1は国庫補助)。これらはダム完成後割賦払いが始まります。

思川開発事業の実施で、本当に埼玉県の治水と水道「」供給に「」のでしょうか。

問題だらけの思川開発
水問題研究家の島津暉之氏によれば、思川開発事業は様々な問題点を抱えています。

① 南摩川は流域面積が小さく、治水効果がなく、貯水もわずかで利水効果もない 
② 関東など六都県の水道用水給水実績が減少している。水あまりの時代へ
③ ダム事業への参画の条件である栃木県の水道用水供給事業計画が不存在である。また地盤沈下を防ぐため地下水から表流水へ転換するというのが水源開発の目的であったが、地盤沈下がおさまっている
④ 南摩ダムの治水効果は限定的

ダム開発のような大型の公共事業は、ひとたび始まってしまえば後戻りができません。
建設費だけでなく、負担金やダムの維持管理費など、無駄なコストがかかり続けることになります。

治水効果も、利水効果も期待できない黒川開発は今からでも中止すべきではないでしょうか。