栃木県鹿沼市に南摩ダムと付近の河川を結ぶ地下導水路を建設する思川開発事業。
総額1850億円の巨大水資源開発事業は、国による事業検証が終了し、事業継続が決定されました。埼玉県は、これまで約14億円の負担金を支出していましたが、今後も約155億円を負担する見通しです。
本年度の県予算では利水・治水合わせて5億3千万円以上が計上されています。
日本共産党埼玉県議団は10月17日、梅村さえこ衆議院議員、野村せつこ栃木県議ら関係自治体の議員とともに南摩ダムの建設予定地を初めて視察しました。
あいにくの雨模様のなか、建設予定地を望む展望台にあがりました。ガスでかすんでいますが、見事なV字渓谷で、ここをダムサイトの適地とした理由がよくわかりました。
その後、ダムに沈む地域に車で降りていくことに。80軒あった住宅は、全て移転済みです。
ダム底を流れる南摩川は、多くが伏流で地上には現れていません。現れている部分も、まるで小川のようです。これではダムに水をためることができないので、山を越えた黒川と大芦川からトンネルで導水します。
もともと、3つの川から導水する計画でしたが、大谷川が地元自治体の反対で導水ができなくなりました。2本の川で流量が確保できるかは、疑問です。
仮排水トンネルや付け替え県道の建設がすすんでいます。民主党政権誕生以来、ダム建設を継続するか検証が行われているという点前でしたが、周辺整備は着々と進行し、用地取得は100%、付け替え県道は67%、県道改良は100%、工事用道路99%、仮排水トンネルは100%となっています。残すは本体と導水路です。