9月15日、日本共産党埼玉県委員会と県議団は、関係市議団のみなさんと埼玉県に台風9号の豪雨被害対策をもとめ申し入れを行いました。岩﨑康夫副知事が応対しました。
申し入れでは、まず、被害情報について迅速にHPなどで公開するよう求めました。これに対して副知事は、「早急にまとめて公開します」と答えました。
また、霞川や不老川など、護岸崩壊や溢水した河川について、早急に対策を求め、副知事は「川越と飯能の両県土整備事務所の人員体制を2人ずつ増員し、早急に取り組みます」と答えました。
特に、所沢市の東川について、地下水路を完成させたばかりなのに、氾濫したと、地域住民に疑問が広がっていることから、住民への説明を求めました。これに対して副知事は説明会の実施を約束しました。
その後、担当課長との懇談が別室に移動して行われました。
所沢市から富士見市など5市1町を流れる雨水幹線「砂川堀」が、氾濫し保育所が孤立した問題について、県企業局は、「(県と5市1町との)管理に関する申し合わせを見直す。監視カメラ設置 新河岸川への流量を増やすため、調整する。」と回答しました。
埼玉県知事 上田清司様
2016年9月15日
日本共産党埼玉県委員会 委員長 荻原初男
日本共産党埼玉県議会議員団 団長 柳下礼子
埼玉県の台風9号による豪雨災害対策について
8月22日の台風9号による短時間の記録的豪雨は、県西南部地域を中心に多大な被害をもたらしました。埼玉県議団の限られた調査によっても、倒壊住宅2棟・床上浸水270棟・床下浸水454棟・床上浸水保育所が2棟にのぼっています。
この間、党県議団は国会議員・市町議員とともに被災者を訪問し、その声を伺ってきました。「1階部分が臭くてたまらない。もう住むことはできない」(所沢市東川沿いの住民)「11階建てのマンションの地下部分が水没し、エレベーターが機能しない。高齢者も赤ちゃんと母親も、階段を使わざるをえない」(所沢市東川沿いのマンション)「砂川堀の水位情報などいっさいなく、避難勧告もなかった。気がついたら周りは水で、70人の子どもたちと逃げることもできなくなっていた」(富士見市の保育所)「大規模商業施設ららぽーとの地下貯留槽がいっぱいになり、住宅街にあふれ出た。建設前の説明会では大丈夫との説明だったのに」など、それぞれ深刻です。
しかし、埼玉県は23日以降、被害状況を集約することも、情報提供することもありませんでした。その時点で県が把握していた入間市内の床上浸水は2棟でしたが、実際には169棟もの家屋が床上浸水しています。
今後、台風の襲来が予想されるなか、砂川堀をはじめとした河川整備などの水害対策は一刻の猶予もありません。
また、床上・床下浸水などの被災者の支援について、県は災害救助法を適用しなかったので、応急仮設住宅などさまざまな国の支援を受けることができません。その中には床上浸水(半壊)の家に住宅応急修理費用(57万6千円)支給もあります。
日本共産党埼玉県委員会と県議団は、8月24日にも災害対策について緊急の申し入れを行っていますが、被災の実情の把握が進んだ段階で、より具体的で切実な以下の項目の実施を、改めて申し入れるものです。
被害の把握、公表について
一、台風9号による被害の全容を早急に把握し、ホームページで公表すること。
河川対策について
一、溢水や護岸崩壊した河川について、直ちに護岸かさ上げ工事や調整池整備、排水装置整備など対策を講じる。
一、下水道局管理の雨水幹線砂川堀に監視カメラを設置する、豪雨時にはパトロ―ルをするなど、水位の状況を迅速に把握し、市に情報を提供する。
一、豪雨時における新河岸川への砂川堀からの排水制限を早急に見直すこと。砂川堀を一級河川として指定すること。
一、地下水路まで整備されていながら、数か所で溢水した東川について、ただちに経過の住民説明を実施すること。溢水の原因究明のため第3者をまじえた検証を行うこと。
一、飯盛川について、早急に国道407号線片柳2号橋拡幅とその上流の都市下水との接続部分まで拡幅すること。当面、強制排水装置を整備すること。
また、既に拡幅されている部分の水草を、早急に撤去すること。
浸水被害について
一、志木市や所沢市の危険・倒壊家屋には、早急に県の埼玉県・市町村生活再建支援金制度を適用する。
所沢市荒幡地区の倒壊家屋並びの住宅も、護岸が崩壊しており、居住は危険である。同様の支援金を適用すること。
一、災害救助法が適用されていないが、法適用に準じた支援を被災者・自治体に実施すること。とくに、床上浸水(半壊)への住宅応急修理費用相当(57万6千円)を支給する。
地下室の水没などで居住に深刻な被害を受けたマンションなどにも、住宅応急修理費用を支給する。
一、埼玉県・市町村生活再建支援金制度を、床上浸水や床下浸水にも拡充すること。
水害対策の抜本的見直しについて
一、災害救助法第1条4号(多数の者が生命または身体に危害を受け又は受けるおそれが生じた場合)を積極的に適用すること。
一、時間当たり50mmという想定降雨量では、近年のゲリラ豪雨に対処できない。見直しを行い、計画的に災害対策を進めていく。
以上