6月定例会閉会日の27日、金子正江県議は知事提出議案に対する反対討論を行いました。
討論の全文は以下の通りです。
金子正江です。日本共産党を代表して、知事提出議案、第85号議案及び第88号議案について反対討論を行います。
まず、第85号議案 埼玉県税条例等の一部を改正する条例ですが、法人県民税の改訂では、地方交付税の原資とする地方法人税の税率を引上げるものです。H26年度の消費税8%の引上げ時に、政府は、「地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため」として、地方税である法人住民税の一部を国税である地方法人税として、地方交付税の原資とする仕組みを導入しました。今回の改正はそれに続くもので、消費税10%への引上げ時に同様の地域間格差が生じるとして、法人住民税率を現行3.2%から1.0%へ引き下げ、その引下げ分について、地方法人税率を引上げて地方交付税の原資として拡大するものです。
自治体間の税収格差の是正は、地方交付税の財源保障と財政調整の両機能を強化することでなされるべきであり、そもそも消費税増税で広がった地域間格差を、地方自治体の負担によって是正するなど言語道断です。地域間格差の是正を図ると言うのであれば、消費税10%増税は延期でなくきっぱり中止すべきです。
次に、第88号議案 専決処分の承認を求めることについてですが、法人事業税については、資本金1億円超の普通法人にかかる外形標準課税(付加価値割、資本割)の割合を、現行8分の3から8分の5へ拡大し、所得割の税率を同時に、現行6.0%から3.6%へと引き下げるものです。これでは、黒字企業には減税、赤字企業は増税となり、最も恩恵を受けるのは黒字大企業となります。さらに、政府税制調査会は、外形標準課税を資本金1億円以下の中小法人へ拡大するとしています。人件費割合の高い中小企業では、赤字でも課税される外形標準課税によって雇用を守ることも困難となり、消費税増税による打撃に加えて、経営の存立まで危うくするものです。今回の改正は、大企業の法人実効税率引下げによる税収減を、赤字で苦しむ中小企業への増税で穴埋めするその導入となるもので、到底賛成できるものではありません。税は応能負担が原則です。担税能力のある黒字大企業にこそ応分の負担を求めるべきと申し上げ、反対討論といたします。
以上