実質賃金低下、非正規雇用増大認めつつアベノミクスについて、知事いまだ評価避ける
13日村岡県議は一般質問で「県内中小企業の振興へ実態把握と実効性ある支援について」追及しました。
アベノミクスは2年や3年で成果を出せるものではない?
村岡県議は自公政権による経済政策アベノミクスの破たんは明白だと指摘し、上田知事のアベノミクスの評価を質しました。知事は、失業率の減少などをあげつつも、「実質賃金が5年連続で減って」いる「非正規労働者数は142万人増えている」など述べて(村岡県議の)「ご指摘の通りです」と認めました。しかし「このような政策は2年や3年で成果をだせるものではない。評価できる点と評価しづらい点がある」と2年前の質問への答弁と同様、評価を避けました。
建設労働者の賃金不十分さ、理由は重層下請け構造の問題ー県土整備部長認める
村岡県議は、建設産業の不振打開のための「担い手3法が施行され、国が公共工事設計労務単価を3年連続で引き上げたにも関わらず、現場の労働者にはその効果が実感できないと指摘しました。埼玉土建の調査では、鉄筋工の賃金が労務単価の54.8%と、かい離が広がっている状況です。村岡県議は新座や上尾、朝霞市の調査を示して、県として賃金実態調査に踏み出し、設計労務単価引き上げを末端の労働者にまで反映させるべきだと県を追求しました。これに対して浅井県土整備部長は、「国が全国的な調査を行って」いるとして賃金調査を拒否しつつ、「現場労働者の賃金が十分な水準に達していない理由の一つとして下請けが何層にも重なることにより、各段階で経費が発生し最前線で働く労働者に適切な賃金が支払われないという問題がある」とのべ「こうした重層下請け構造の改善に向けて取り組んでいく」と表明しました。
また、建設産業で働く若者の願いである完全週休2日制をと求めた村岡県議に対して、部長は「県では28年度より総合評価方式で4週8休を確保する工程管理を加点評価する取り組みを施行してまいります」と答弁しました。
わずか0・9%の事業所アンケートの対象拡大を
また、日本1のモノづくりの町東大阪市の視察をもとに、中小企業の実態把握のための事業所アンケートについて取り上げました。同市は2007年に6000社中3770事業所を対象としたアンケートを皮切りに5年ごとにアンケートを実施、事業承継などのテーマごとのアンケートも行い、生の声をもとにきめ細かな小規模事業所支援を打ち出してきました。一方、埼玉県は4半期ごと2200事業所のアンケートを実施していますが、これでは全事業所の0.9%にすぎません。村岡県議は全事業所を視野に入れて、アンケートを思い切って拡大するべきだと提案しました。これに対し立川産業労働部長は、中小企業支援は「スピード感を持って取り組むことが大切」「企業を訪問して生の声を聴く」などとして、対象を絞る調査とすると答弁しました。