業者婦人の労働を評価せよ―国連世界女子差別撤廃委員会も政府の男女共同参画基本計画も言及
6月13日村岡正嗣県議は一般質問で、業者婦人の役割評価について、高齢者の権利と福祉、生きがいと社会参加についてとりあげました。
所得税法第56条の廃止は世界の流れ。政府も検討中
所得税法は第56条で「事業主と生計を一にする配偶者とその家族が事業に従事した時、対価の支払いは必要経費に算入しない」と定めています。業者婦人などの賃金が必要経費として認められていません。業者婦人がどんなに一生懸命働いても、税制上は正当な働き方は認められず、ひとりの人間として認められていないとして、業者婦人は第56条の廃止を求めてきました。これに対して村岡県議は、世界でも、政府が閣議決定した男女共同参画基本計画でも、新しい動きがあるとして、県に説明を求めました。稲葉県民生活部長は「本年3月発表された国連女子差別撤廃委員会の見解は、女性の経済的自立を促すために所得税法の見直しを検討することを求めるというものです」「昨年12月25日に閣議決定された国の第4次男女共同参画基本計画の内容は、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の制度の在り方を検討するというものです」と説明しました。第56条の見直しは世界の流れです。日本政府としても、避けて通れません。
シルバー人材センター―請負業務は「臨・短・軽」を守る
シルバー人材センターは、定年退職後に臨時的短期的または軽易な仕事を提供し、高齢者の生きがいや社会参加を促します。全県に会員4万7千人、契約金額は200億円に上ります。村岡県議は、その役割を高く評価したうえで、ボランティアである請負業務について、「シルバーに仕事を取られた」という苦情がよせられたり、学校用務員や子育て支援、高齢者支援員など責任の重い業務や、高所での選定作業など危険な業務が行われている場合があると指摘。「請負業務は『臨時・短期・軽易』をまもり、それを超えた場合は労働者としての権利が守られた派遣や紹介業務とすべき」と県を質しました。立川産業労働部長は「請負については『臨・短・軽』な業務に限定する。それを超えた場合は派遣や職業紹介など適切な雇用形態となるよう指導する」と答弁しました。
重すぎる介護保険料・利用料、県としても減免を
埼玉県内の介護保険料は平均4835円であり、15年余りで1.8倍となっています。政府は2025年までに全国平均で8200円にまで保険料が引きあがる見通しとしています。
一方、昨年4月からは年収280万円以上の介護サービス利用者負担が1割から2割に引き上げられました。村岡県議は、介護保険料減免制度をもつ市町村が3分の2に、介護保険利用料の減免は9割の市町村に上っていることを示し、県として助成制度を創設し、これらの自治体を支援すべきだと質しました。田島福祉部長は「市町村が主体的に行うべきだ」として創設は困難としました。また利用料2割負担について、1割に戻すよう国に要望するよう求めたのに対して、「高齢者も収入に応じた負担が必要」として拒否しました。
また、村岡県議は介護施設でおきた違法労働行為や、看取りなど職員の精神的負担が重くなっている実態も示し、職員の処遇改善も強く求めました。