2月定例会が閉会 団長談話を発表

3月25日、2016年2月定例会が閉会しました。日本共産党埼玉県議会議員団は以下の団長談話を発表しました。

2016年3月25日
日本共産党埼玉県議会議員団
団長 柳下礼子

2月定例会を振り返って

(1)改変された予算特別委員会について

・予算特別委員会は、一般会計をはじめ2016年度当初予算全般を審議する委員会であるが、昨年12月の自公による大幅改変によって知事に直接質問ができる総括質疑の日程が3日から半日に減らされ、各常任委員会の部局別調査がなくなり、予算特別委員会に一元化された。

7日間行われた部局別審査では、予算特別委員である柳下礼子県議と村岡正嗣県議が、合計14回質疑に立ち、貴重な成果も勝ち取った。一方、知事に直接質問できる総括質疑は、半日しか行われなかった。知事のトップダウンで決定した事項や広く部局横断で取り組むべき事項について、質す機会が奪われたことは、重大である。各会派代表者会議では、議会改革について議論する必要性も確認され、予算特別委員会のあり方についてもその中で議論すべきと考える。

・予算特別委員会の総括質疑で、党県議団は法律違反のブラックバイトの実態を示し、高校生や学生を守るために、県の若者労働相談をSNSなどを活用して広めるよう提案した。これに対して、知事が「いい提案、早速やりたい」と答弁した。また、一月の大雪被害への支援、性的マイノリティーへの差別解消、滞納処分の是正、児童虐待防止対策、県営住宅の住み替えやエレベーター設置、有料道路の無料化など県民の声を代表し政策提案を行った。

・全会計合計で2兆8093億円規模に上る2016年度当初予算が審議・採決されたが、党県議団は以下の理由で一般会計を中心に反対した。第1に都道府県運営を前提とする財政安定化基金設置について、県による市町村への徴税目標押しつけなどがより強化されかねないこと。第2に、県民のプライバシーを危機にさらし、徴税強化や社会保障の制限につながる、国のマイナンバー制度の導入に伴う制度整備予算が設けられていること。第3に、八ッ場ダム・霞ケ浦導水事業・思川開発事業など、利水上も治水上も効果が認められない巨大ダム開発予算が計上されていることから、第4に、重度心身障害者医療費助成制度に年齢制限を導入し、高齢者差別を行っていることから、第5は、県立小児医療センターの移転促進費用から。また下水道事業関連予算については、関係3町(滑川町・嵐山町・小川町)の下水道料金の引き上げにつながることにより反対した。(共産党以外の賛成で可決)

 (2)知事提出議案について

・党県議団は当初予算含め、82件の知事提出議案中19件について、主に次のような理由で反対した。ケアマネージャーの実務研修手数料を3万円から6万円に、同じくケアマネ更新研修手数料の初回分を3万8千円から7万5千円に引き上げる議案には、高齢化社会へ向けて確保すべき職であるケアマネの負担は軽減すべきであることから。指定地域密着型通所介護事業など介護施設で障害児へのサービスを行う議案については、高齢者と障害者に対するサービスはそれぞれ専門性が求められることから。知事をはじめとした幹部職員の期末手当の年間支給を3.10月から3.15月へ引き上げる議案については、生活苦が広がるなか県民の理解をえられないことから。27年度一般会計補正予算には、一企業を特別優遇するスマートアグリ事業と国保の財政安定化基金の設置予算について反対した。(それぞれ、共産党以外の賛成で可決)

・県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定」について、自民党県議団から提出された修正案は、圏央道など高速道路インターチェンジ周辺の開発や企業誘致について、農業遺産の保存や環境への配慮について確認したうえで「県内大学新規卒業者に占める不安定雇用者の割合の減少」などわが党の修正提案を取り入れていることを評価し賛成した。(自民・公明・共産の賛成で修正案可決)

・3月4日の福祉保健医療委員会において、患者家族の反対を押し切って移転計画がすすむ県立小児医療センターの移転関連議案が審議された。柳下県議が、移転後の新病院の駐車場料金の有料化について、患者家族の反対の声を無視して移転したうえ、過重な駐車場料金を徴収すべきではないとの立場から質疑したことを受けて、自民党県議からも「患者家族は無料にすべきだ」との意見があり、議案採決は見送られた。18日に再び開かれた委員会で、通院の際の料金を半額にするなどの病院局の内規見直し案が提案され、共産党以外の賛成で可決した。

 (3)議員提出議案について

議会運営委員会提案の議案は、県議会議員の期末手当を知事と同様3,15月に引き上げるとともに、来年度以降は期末手当の支給割合を知事らの月数に自動的に合わせるものである。最大会派の自民党県議団はつねづね二元代表制のもと、行政と議会の対等性を強調してきた。期末手当支給割合を行政にゆだねるやりかたは認められない。(民主・共産・改革以外の賛成で可決)

 (4)請願について

県民より「安全保障関連法の廃止についての請願」と「消費税率引き上げ中止の意見書提出を求める意見書提出を求める請願書」が提出され、ともに民主・共産・改革の3会派が賛成した。(反対多数で不採択)

 (5)その他

3月15日の予算特別委員会で、公明党の藤林冨美雄県議(越谷市選出)が、共産党の学費値上げビラを手に持って保健医療部長に「国立大学の学費値上げについて聞いているか」と質問、部長が「初めて拝見した」と答えると、「国から県に何も連絡がきてないということは全くのデマ情報といわざるをえない」「出所が共産党だからしょうがないか」などと攻撃した。直後に質問に立った柳下県議は、公明県議の質問について「他党批判は、予算特別委員会になじまない」と批判。委員会終了後、党県議団として長峰宏芳予算特別委員会委員長に予算審議の場で他党批判をすべきでないとして、委員長から公明党に注意するよう強く申し入れ、長峰委員長は同県議に注意した。

                                      以上