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埼玉県庁は、現在地で建て替えを
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八潮道路陥没問題で、八潮市議団、伊藤岳参議院議員と意見交換
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卑劣な犯罪をゆるさないー痴漢加害防止と被害者救済を県に求める
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久喜と熊谷図書館を新館に統合・廃止
埼玉県教育委員会は北部地域振興交流拠点施設に窓口をおく新図書館を新設し、久喜市と熊谷市にある県立図書館2館を統合廃止する方針を決定しました。新館はデジタル化を徹底して進め、閲覧スペースは最小限として、将来は「非来館型」サービスを中心としていく構想です。
2月22日、伊藤初美県議が、県立久喜図書館を視察しました。
応対いただきました今井久典館長(下写真)はじめ職員のみなさま、ありがとうございました。
老朽化が進む久喜図書館
久喜図書館は昭和55年6月に開設(44年経過)小規模な修繕が繰り返されて、内装はとてもきれいで清潔にみえます。しかし大規模修繕は一度も行われたことがありません。職員は35人うち29人が司書資格を持っています。
蔵書数は約60万8千冊(うち児童書16万4千冊)うち11万4千冊を開架し、県民のみなさんが手に取ることができます。鉄筋地上3階の建物の中に4層もの収蔵庫があり、下写真のように開閉する本棚に分類されています。
入館者数はコロナ禍で大きく落ち込みましたが、年々盛り返しています。
これだけの蔵書を、県民に閲覧してもらいながら保存し続けることはとても大変です。同館では修繕技術を向上させ、蔵書を長持ちさせつつ、市町村図書館にもその補修技術を広めています。
レファレンスサービス(調査・相談)でお礼状
同図書館で推進しているサービスが、レファレンスサービス(調査・相談)です。
例えば、みなさんが「三富新田の歴史を授業のためのレポートにまとめたい」と思ったとしたら、来館・電話・ファックス・メールいずれかで同館に相談すると、信頼おける書籍や論文などが提供されます。
信頼おけるというところが、ネット検索と違うところですね。
こちらでは、毎年県民や市町村などの図書館からのレファレンスについて、回答プロセス・結果を国立国会図書館の「レファレンス協働データベース」に提供しているそうです。提供数は令和5年度までの累計で9548件に上り、これらへの国民からのアクセス数は2,191,758件に上っているそうです。
同館の提供数は例年全国1位をほこり(令和5年だけ2位・・・おしい!)国立国会図書館から16年連続でお礼状をいただいたほどです。(下写真)
いざというときのヘルスケア
同館の特徴的サービスの1つが健康・医療情報サービスです。
医療情報コーナーを設置したり、医療情報の有償オンラインデータベースを無償で提供しています。本日は下写真のように「いざというときのヘルスケア」というコーナーがありました。災害時に必要なヘルスケアの本や、防災グッズがおかれていました。真ん中のくまは、防災グッズのつまったリュックです。
もちろん、段ボールベッドもありました。
デジタルデイジーってなんだ???
久喜図書館の特徴的なサービスが、「障害者サービス」です。
点字図書はもちろんユニバーサル絵本など、さまざまな読書のバリアフリーのためのコーナーがありました。
布の絵本はボランティアさん作成です。レベルがたかい!おいしそうです。
大きな活字の「赤毛のアン」
デジタルデイジーってなんだかわかりますか?
視覚障害者である職員の佐藤さんから教えていただきました。デイジーはデジタル録音図書のことです。でも、ただ読み上げるだけではありません。写真や図録は声で説明をします。読み上げもきちんとプロの方が行い、漢字の読み間違いがないかなどきちんと調査もします。再生機を使うと章やページを飛ばすこともできます。もちろん音量も音速も変えることができます。これが、障害者であれば無償で借りることができるのです。(障害者は郵送料が免除なので)
デイジーや、資料をスキャンするだけで読み上げてくれるソフトの実演もしてくれました。でも、対面で好きな本や資料を読み上げてくれるサービスもあるんですよ。
りんごのたなは、児童書コーナーにありました。バリアフリー読書のためのたなです。多様なニーズを持つ子どもが多様な絵本にであえる場です。
おはなしボランティア53人
子ども読書支援センター機能も、久喜図書館の特徴です。
おはなしボランティアさんは指導者も含めて総勢53人。指導者は市町村図書館への指導にもでかけます。
特に、特別支援学校の図書指導には力をいれています。特別支援学校にはほとんど司書がおらず、図書室の位置づけもさまざまです。学校からの要請に応じて、図書の選定・レイアウトなど提案も行います。特別支援学校図書館講座なども行います。
視察を終えて
まず、驚いたのは障害者支援サービスの熱意です。誰にでも、読書を楽しむ権利はあるのに、障害者はアクセスが困難です。特に視覚障害者はそうです。この溝を埋めるためのバリアフリー読書のとりくみを見せていただき、目からうろこが落ちる思いでした。また特別支援学校の図書への支援も感動しました。
また、おはなしボランティアさん53人組織というのもですが、ボランティアさんの質の高さ、久喜図書館への愛情も素晴らしいと思います。下の写真の犬の本もボランティアさんてづくり!!こうしたボランティアさんたちの愛情が、館全体を親しみやすく暖かい空間としているのです。
非来館型図書館も必要でしょう。
しかし、
多様な人たちのバリアフリー社会にむけて、探求を続けることも
ボランティアさんを組織・育成し、好事例をつみあげることも
県立図書館として貴重な努力ではないでしょうか。