3月7日、城下のり子県議はさいたま市北区にある中央家畜衛生所を訪れました。
家畜保健衛生所が3カ所から2カ所に
家畜保健衛生所は家畜の感染症等を防ぐため、畜産農家に指導や病気が発生した場合の検査機関、畜産農家への経営支援などを行っています。
現在埼玉県内には中央家畜保健衛生所、川越家畜保健衛生所、熊谷家畜保健衛生所の3つがあります。
中央家畜保健衛生所は県内で唯一の病性鑑定担当がおり、くわしい病性鑑定を行っています。しかし中央家畜保健衛生所は移転当時はぶどう畑が広がるのどかな場所でしたが現在住宅街となっており、検体の処理ができません。そのため、検体はいったん熊谷家畜保健衛生所に運び、一部を中央家畜保健衛生所に運んでくわしい病性鑑定を行うという流れになっています。
すみやかに病気を特定することが感染症を防ぐ上で重要であり、現状ではなかなか難しいこと、1969年に現在地に移転し、55年が経過し、老朽化していることから、県は大里農林振興センターに新しい家畜保健衛生所をつくり、そこで病性鑑定を行うこと。川越家畜保健衛生所をリニューアルしつつ、中央家畜衛生所は廃止する計画を進めています。
3カ所ある家畜保健衛生所が2カ所体制になると、川越家畜保健衛生所は飯能市、小川町から久喜市、三郷市までの広大な地域を管轄するとになります。
そこで、施設を見学させてもらいつつ、現場の職員の方からお話を聞きました。
事務室のとびらはガムテープで補強
職員の方に案内してもらいましたが、施設内はすきま風が吹き込んでくるそうで、寒く、あちこちでガムテープで補強していました。事務室のとびらもガムテープで補強されており、老朽化を感じました。職員さんからも老朽化が激しいこと、緊急時に備えて宿直を行っているが、男女をわけて泊まれる宿直室がないことなど、施設の問題点について訴えがありました。
鳥インフルエンザ、豚熱などの家畜伝染病に備えて体制強化が必要
2019年秩父市で県内はじめの豚熱が発生し、県はその後ワクチン接種を進めてきました。現在豚熱は収束してます。しかし鳥インフルエンザはワクチンなく、昨年も県内で発生しています。
感染症が発生すれば、すべてが殺処分となり、畜産農家は大打撃を受けます。感染症を発生させない環境が必要ですが、それには農家への指導や支援が必要です。
城下県議は「昨年秋、県内での鳥インフルエンザの発生を受け、養鶏農家の方が県庁を訪れ、『丁寧に指導してほしい』と訴えていました。家畜保健衛生所が2カ所体制になれば、農家に出かけるのが遠くなります。農家への支援が薄くなるのではないか」と質問。
所長は「病性をすばやく確定し、対処を早く開始することが農家への支援になります。中央家畜衛生所で病性鑑定を行う現状ではそれが難しいと考えています」と答えました。
城下県議は「農家の方が不安に思わないよう体制強化が必要です」と訴えました。