12月26日埼玉県農民運動連合会(農民連)が予算要望書を手渡し、懇談を行いました。城下のり子県議が同席しました。
農民連は日本の農業・米を守るために、食糧自給率向上を義務づける法制化を国に要請すること。毎年のように起こる米の高温障害に対し農家に対し様々な支援を行うこと。ミニマムアクセス米の輸入を中止するように国に要望すること。畜産農家への経営支援、学校給食に安心・安全な食材を使用すること。パン給食にあう県産小麦の開発に全力を挙げることなどを要望しました。
県はミニマムアクセス米の輸入について「主食米の購入に影響を与えないので、輸入を中止する必要はないのでは」と回答。農民連から「円安によりミニマムアクセス米の購入は値上がりしている。そんなお金をかけて米が足りないわけでもないのに、わざわざ海外から米を買うぐらいなら、その予算を農家の支援にまわすべき。ミニマムアクセス米は600億円を出し、77万トンも買っている。ミニマムアクセス米は輸入できるという協定であり、その国がいらないとなれば買う必要はない。実際他国はそれぞれの実情に応じ、量を減らしたり、買わなかったりしている。日本は唯々諾々と買っている。屈辱的だ」と応じました。県は農民連の話は受けとめつつも「県から国にこの問題について物を言うのは難しい」と述べました。
高温障害については県は12月議会での等級低下した農家へ時期作支援を行うことを決めたことを紹介しました。農民連から「やらないよりはましだが、実際はすずめの涙にしかならない。抜本的な支援を」と求められました。
パンにあう小麦について、現在埼玉県は長野県が開発したハナマンテンという小麦の種を県が確保し、農家に供給しています。しかし長野県が原種の生産提供をやめてしまいました。農民連からはハナマンテンを引き続き生産できるようにとパンにあう県産小麦の開発について要望が繰り返しされていました。
県は「長野がやめてしまうが、県は令和8年までハナマンテンの生産ができるようにした。発芽実験を行い、さらに延長できないかと考えている」と回答。県西部で小麦を生産している農家からは「ハナマンテンの生産について県は努力してくれていることがわかった。よかった」との発言がありました。
パンにあう県産小麦の開発については「かつてそうした開発について国からの予算措置があった。しかし現在はない。また小麦はたの農産物とは違い、製粉業者も必要で、製粉するためにはある程度の量をつくって試さないといけないという問題もあり、県産小麦の開発は難しい」と回答しました。
参加した農家の方は「ミニマムアクセス米の問題では県は問題点はよくわかっているが、外交問題であり、口出しができないと思っているのではないか。しかし、ロシアのウクライナ侵攻により、自国の食糧をどう確保するのかは重要な安全保障の問題となっている。県の大変さはわかるが頑張ってもらいたい。食べ物は体ををつくる。体をつくるための食べ物をつくる自分の仕事は本当に大事な仕事だと思って日々働いている。そして未来を担う子どもたちのために、少しでもいい社会を残したいと思っている。そうした農家を守るために県のみなさんもがんばってほしい」と訴えました。
城下県議は「生の声を届けることができるこうした機会は重要です。ぜひ今日の要望を受けとめ、新年度予算に少しでも盛り込んでいただきたい。またこれ1回にせず、繰り返し懇談の機会を」と訴えました。