県民の命・生活まもるため、地方自治体の役割発揮をー平和委員会が県と

10月16日、埼玉県平和委員会の方々が県庁を訪れ、県への大きく7つの項目で要望を行い、その後懇談しました。

城下のり子、伊藤はつみ県議が同席しました。

要望項目は①航空機の騒音の軽減について②米軍、自衛隊のオスプレイの飛行について③米軍所沢通信基地内への米軍横田基地から出土した土砂の堆積問題について④基地「強靭化」の動きについて⑤土地利用規制法による重要地域指定について⑥自衛隊入間病院について⑦自衛官募集業務についてです。(要望事項は下記PDFに)

航空機の騒音、落下物、墜落の不安が住民生活を脅かしている

航空機の騒音について、県は「騒音の軽減にむけて、住民生活に影響が及ばないよう、予算を確保に努め、防音工事を進めていく。早朝・深夜・休日ならびに学校等における重要な行事日の飛行中止について国に要望している。県が設置した騒音測定器が減った問題については、騒音を出している国が本来やるべき。国に要望している」と回答。

参加者からは「飯能に住んでいるが1日63回もの自衛隊機が飛んできた。自衛隊機がうるさい」「日高では音量を測定したら70デシベルもあった。ダンプの走行音と同じくらい」「自衛隊機も小さな部品だが落下を起こしている。人や民家に被害はないが、それはたまたまにすぎない。不安だ」「所沢米軍通信基地はヘリポートがあり、ヘリが飛来する。ただ降りてくるのではなく、人のつりあげ訓練などを行うようになった。それも夜間に。夜間訓練を行うためにサーチライトを使っているが周辺住宅にそのサーチライトがあたったりして、周辺住民を困らせている」などの訴えがありました。

県は航空機による騒音や落下物の問題、墜落の問題など県民生活への影響があることを認め、国に改善を求めているといいますが、平和委員会からは「飛行の停止は求めていないではないか。実際飛行回数は増えている。私たちがあつめた飛行回数などのデータを今日の資料にもついているので、そのデータも活用し、しっかり私たちの声を国に伝えていただきたい」との声が出ました。

根本問題である日米地位協定の改善を

米軍機については飛行状況などは外務省に問い合わせ、外務省が米軍に問い合わせという状況で、米軍から何か言ってくるのを待っている状況。「根本的には日米地域協定による対等平等でない関係がある。日米地位協定の改定について何か要望しているのか」との話も出ました。

県は「日米地位協定の改定については米軍基地を置いている自治体の知事たちによる知事会で日米地位協定見直しを求める要望は上げている」と回答。

平和委員会から「大野知事も見直しの必要性について言及している。要望しているとのことだが、何か変化はあるのか」との追及があり、県は「抜本的な改善はない」と答えました。

基地「強靭化」が国民の安全に寄与する!?

基地「強靭化」の動きについて、県は「防衛省は基地内の建物の耐震化や地下化を進めている。防衛省は『国際情勢の中、力による現状変更は認めないとし、そのための力をつける必要性から、基地内の建物の耐震化、地下化などを進めている。それが国民の安全に寄与する』と説明している」と説明。国の動きを注視していくと答えました。

平和委員会から「生物兵器・化学兵器・核兵器での攻撃に備えるとして、基地「強靭化」を進めている。もし、生物兵器・化学兵器・核兵器で基地が攻撃される事態となったとき、その周辺住民はどうなるのか。県として県民の安全を守るという姿勢であれば、注視している場合ではない」と厳しい指摘がありました。

県は「外交は国の専管事項ですから」と述べ、平和委員会から「確かに決めるのは国ですが、専管事項だからと県民の安全が脅かされる事態になるかもしれないのに、黙ってみているわけにはいかないでしょ。国にしっかりものを言っていただきたい」と訴えました。

土地利用規制法による重要地指定について国から住民に説明を行うべき

自衛隊大井通信所が「特別注視区域」、航空自衛隊入間基地が「注視区域」の指定候補にあがりました。

所有者や使用者を監視・情報収集して、「機能阻害行為」があれば使用中止を勧告・命令できるというものです。調査対象も調査項目もあいまいで、しかも、何が「機能阻害行為」に該当するのか法律上の規定がなく、首相の判断や政令に委ねられています。

平和委員会は「基地からおおむね1キロ圏内が調査対象と示されており、どこが入るのかの地図は自治体に来たようだが、それを住民に見せるなと国は言っているようだ。住民への説明もない。丁寧な説明をしてほしい。県から国に求めるべき」との発言がありました。

県からは「国は住民説明会を考えていない。県としては適切な情報提供を求めていく」と回答がありました。

自衛隊入間病院が救急患者受け入れ

かねてより求めきた、自衛隊入間病院が7月から一般の救急患者を受け入れたことが報告されました。116件受け入れ。そのうち15件が早朝・夜間の受け入れだったとのこと。そして9月には知事が救急告知病院として発表し、毎週月曜日は24時間救急を受け入れることになったとのこと。

平和委員会からは「受け入れ始めたのは重要。しかしまだ救急のみ。外来も一般に開放すべき。三宿にある自衛隊中央病院は一般外来も行っている」との発言がありました。

最後に城下県議から「途中、県から外交は国の専管事項との話がありました。平和委員会からも訴えがありましたが、今回要望した項目はどれも県民の生活に多大な影響をおよぼし、いのちかかわる重大事態につながりかねない問題です。国にまちではなく、住民のいのちと健康をまもるという地方自治体の役割を発揮し、断固として国に求めてもらいたい」と発言しました。